| ホーム>>中日両国 |
| 第41回 日本の「魚付林」の考え方と中国を含めた国際協力 |
| 発信時間: 2009-03-24 | チャイナネット |
|
|
|
中国の方には聞き慣れない言葉かもしれませんが、「魚付林」という古くからの日本の考え方があります。これは、岸辺の森から川を通じて流れ出す栄養分が、沿岸に藻場を作り、魚を育むことを指す言葉です。日本は昔から魚をたくさん食べてきました。そのため、漁業が昔から盛んです。日本の漁民達は、岸辺の森と川を大切にすることにより、沿岸の漁場を守ってきました。このように、日本人は、森、川、海のつながりを古くから意識し、これらの生態系を一体としてとらえ、大切にする発想をもってきました。このような発想と習慣は、日本独特のものかもしれません。中国の皆さんは、おそらく、陸と海とは異なる世界であり、分断されているものとして理解されていると思います。しかし、最近は中国人も沢山海の魚を食べるようになってきたこともあり、陸と海をつなぐ生態系の問題にも大きな関心をお持ちだろうと思います。
私は、3月8日、札幌で開催されたオホーツク海の生態系保全に関する国際シンポジウムに参加する機会がありました。このシンポジウムにおいて、この「魚付林」の考え方に基づく国際協力を発展させていく必要があるという研究者の指摘を聞き、大変興味深い内容なので、このブログでご紹介したいと思います。 (本稿執筆にあたり、総合地球環境学研究所の白岩孝行氏、北海道大学低温科学研究所、他の研究者の発表を利用させていただきました。厚く御礼申し上げます。)
1.アムール川(中国では黒竜江と呼ばれる)からオホーツク海に流れ出る鉄分が、太平洋全体の植物プランクトンを育んでいる可能性 白岩孝行氏他が、2005年から4年間かけて行っている研究(中国(注)、ロシアの研究機関も参加)では、水に溶けた鉄分(溶存鉄)がアムール川からオホーツク海に流れこみ、それが更に太平洋全体に広がって、植物プランクトン(それは動物プランクトンを養い、魚その他の海の動物を養っています)をどう育んでいるか、また流域における人為的な土地改変が陸面からの溶存鉄流出にどう影響するかを総合的に解析するというものです。この研究を通じて、変化の背景を探り、陸と海の間での人や生物の健全な関係の構築を目指しているということです。(鉄分は、植物プランクトンの光合成の課程で必要な物質です。鉄は水に溶けにくいのですが、陸地の森林や湿地で形成される腐食物質と鉄分が結びついて、それが川に流れこみ、海の植物プランクトンに利用されていると想定されているそうです。) (注)中国からは、中国科学院(東北地理農業生態学研究所、瀋陽応用生態学研究所)、東北林業大学、南開大学、安徽農業大学などの研究機関、大学が参加しているそうです。
白岩氏は、これを「巨大魚付林」と名づけています。そして、アムール川流域が、オホーツク海や北部北太平洋親潮域の巨大な「魚付林」になっている可能性に着目されています。
アムール川は中国にとりロシアとの国境となっていますし、中国で重要なアムール川の支流としては松花江などもあります。中国の東北地方、内蒙古自治区の広い範囲が、アムール川の流域となっています。(中国はオホーツク海に面していないので、一般の中国の人は、これらの川から流れたものが、オホーツク海でどうなっているのかはあまり念頭に無いだろうと思います。)
|
· 第40回 「国際結婚の日」(3月14日)~日中国際結婚~ · 第39回 中国人留学生の戸惑い③ 「こんにちは」は「你好」ではない |