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まほらまの南京生活③食に纏わる不思議いっぱい
発信時間: 2008-10-29 | チャイナネット

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南京大学日本語学部専家 斎藤文男

 

“中国100年の夢”といわれた北京オリンピックが終わり、五輪後の中国の社会、経済の動向が注目されている。しかし、私が気になるのは、前回の当コラム2回目で書いたように、中国が獲得した金メダルの数に対して銀、銅が他国に比べて極端に少なかったことである。この不思議はパラリンピックにも共通していることだが、考察は別な機会に譲りたい。

オリンピック開催後は、食文化に関してもその国にさまざまな影響を与える。1964年の東京オリンピックでは、開催時に外国選手が食べたレタスなどの生野菜を食べる習慣が、日本でもその後急速に広まった。韓国では1988年のソウルオリンピック時には、犬肉を食べる習慣を欧米選手から批判され、犬肉レストランを裏通りに移転させたが、2002年のサッカーワールドカップ開催時には、犬肉を食べるのは伝統的な食文化だと主張するようになった。中国の食文化はオリンピック後、どのように変化するのだろうか。変化する前に中国の食べ物にまつわる不思議いっぱいを考えた。

南京市内でも売られるようになったゴボウ


「牛蒡」があるのに「ゴボウ」がない

「牛蒡」という漢字は中国語の辞典にちゃんと載っている。日本では漢字を書いてもほとんどの人が読めないので、スーパーなどでは「ゴボウ」とカタカナで表記してある場合が多い。漢字があるのだから、中国には昔から牛蒡があったのだろう。しかし、南京市内で私が見たのは3年ほど前からだ。それまではどこの店にもなかった。いつも野菜を買いに行く市場の片隅にゴボウが数本置いてあった。日本に輸出している生産者から、中国での消費拡大を狙って試しに置いてほしいと頼まれた、という。「1週間置いたが、売れたのはあなたが初めて」と言われた。泥がついた木の根っこのようなものを、一体どうやって食べるのか、中国の人は知らないのだ。一見木の枝のように硬そうなものが、食べられるという発想も浮かばないのだろう。

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