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江原規由氏が金融危機と日中経済を語る
発信時間: 2008-11-10 | チャイナネット

北京週報誌記者 繆暁陽

日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部主任調査研究員、江原規由氏

ここ数カ月の金融危機で、世界経済の様相がすっかり変わってしまった。石油や食糧の価格高騰を背景にした世界的なインフレリスクはすっかりどこかへ飛んでしまった。世の中の関心は金融危機対応の動きだ。今回の金融危機はこれから日本と中国の経済にどんな影響を与えるのか、中国の経済発展において一番重要なことは何か、という点について、北京週報誌記者が日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部主任調査研究員、江原規由氏に取材した。

――アメリカ発の金融危機がどんどん深刻化しています。しかし、今のところ、日本と中国はあまり大きな影響を受けていないようですが、その原因について先生はどう思われますか?

日本経済への影響は他の国と比べて相対的に少なかったです。この点は中国と同じだと思います。世界で経済大国と言われている日本もそうですし、中国もそうです。他の国が大きな影響を受けているのに、この二つのアジアの経済大国への影響が少なかったということには大きな意味があります。

日本と中国が違った点は、日本はものすごく円高になったけれども、中国はそれほど元高にならなかったことです。それは金融分野において、日本が中国よりも国際化しているためだと思います。中国は金融、資本が制限されて、まだ国際化していないので、影響が少なかったのです。日本の場合は、金融も経済も国際化しているけれども、かつて10年間、バブル経済の崩壊で、日本は経済が低迷したという経験があったため、経済の「贅肉」を取って強くなったということです。

アメリカと違って、日本も中国も実体経済をやっているわけです。例えば、日本と中国では、人々はだいたい人から金を借りて物を買うのではなくて、貯金した金で物を買います。お金を借りる場合も、返せるか返せないか判断したうえで物を買います。しかし、アメリカのほうは、人から金を借りる場合、返せるか返せないか分からなくても物を買います。

ただ、借りて物を買うというのは経済です。それが世界経済の発展を支えていた部分もあります。実体経済から虚構経済になるのは経済発展と言えるわけです。これが発展させる非常に大きな原動力になってしまって、それを調整するのがバブルです。そのバブルが元に戻ってしまうのかが分からなくて、中国と日本は今経済を調整しています。

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