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道上尚史公使インタビュー①愛憎入り混じった日本人の中国観 |
発信時間: 2008-12-04 | チャイナネット |
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中日両国首脳の相互訪問が実現した07年が過ぎて間もない今年1月末、両国が苦心して打ち固めた信頼の土台は突然の「ギョーザ事件」によって弱められた。3カ月余りの後、胡錦濤主席は「暖かい春の旅」と言われる訪日を行い、日本各界の人々と対話した。5月の四川大地震は、「もう一つの日本」を中国人に発見させる機会となり、日本の援助に感謝する声がネット上に沸き起こった。9月には福田首相が突然辞任。日本の首相の頻繁な交代は、中日関係の良好な時期は長続きしないのではないかとの中国人の心配を呼んだ。 日本の駐中国公使を務める道上尚史氏は11日、「国際先駆導報」のインタビューを受けた。1時間のインタビューで道上公使が最も多く使った言葉は「理解」。道上公使は、周恩来や魯迅、孫文らと日本との結びつきに触れ、「中国の人々がこの時期の歴史に対する知識を深め、日本をさらに理解してくれることを期待している」と述べた。 ▽愛憎入り混じった日本人の中国観 ――「国際先駆導報」が「天涯社区」(BBS)と共同で行ったアンケートは、日本に対する中国人の複雑な感情を示すものとなりました。「最も好きな隣国」と「最も好きでない隣国」の両方で、日本が第2位となったのです。この調査結果を意外に思いますか。 それほど意外とは思わない。中国に来る前、中国人に対する日本人の見方を私も調査したが、その結果は想像した通りだった。これは第一に、隣り合わせの国には、摩擦や矛盾、対立感情や偏見が起こりやすいためだ。英国とフランス、フランスとドイツ、米国とメキシコなどでもそれは同じだ。第二に、日中両国の国民は相手を理解していると思い込んでいるが、実際にはそれほど理解していないためだ。日本について言えば、中国への理解はほとんど本などから得たものだが、中国に来てからの印象はそれとは全く違う。身をもって感じた中国こそが本当の中国だ。 ――2008年だけを取ってみると、中日関係に対する中国人の満足度と日本に対する中国人の好印象はいずれも上がっています。一方、中日関係に対する日本人の好感度は下がっているというデータがあります。日本人はなぜ中日関係を良く思っていないのでしょうか。 これには2つの原因がある。第一に、両国首脳の関係が良くなった時、例えば胡錦濤主席が日本と良い関係を結ぼうと呼びかけた時、中国の民衆はその意見に比較的早く賛成する。だが日本では残念なことに、日本政府が呼びかけても、国民がそれに賛成するには時間がかかる。1年、2年、3年、さらに長い時間がかかるかもしれない。 第二に、総合的な原因だ。ギョーザなどの食品問題や聖火リレー関連のトラブルのほか、中国の急速な発展が日本の経済に損失を及ぼすのではないかといった不安がある。さらに3年前の反日デモは、日本の新聞やテレビにも大きく取り上げられ、日本人の印象もとても大きく、投石事件などがまだ鮮明に記憶されている。スポーツ試合でも同様の状況が発生した。国と国との関係は人と人との関係と同じで、相手がこちらに向かって石を投げるなら、相手が自分を嫌いなら、こちらも相手が嫌いになってしまう。ただ、日本人が中国にさまざまな見方を持っているとはいえ、中国文化とりわけ古典文化に対する興味は過去も現在も強い。三国志や論語、唐詩に親しみをもっているほか、日本人は小学校から毛筆も習っている。 中国について言えば、周恩来や魯迅、孫文らは日本との関係がとても大きな人々だ。日本への留学や長期滞在の経験を持っている。胡錦濤主席は80年代に日中交流の仕事にかかわった。1978年10月には鄧小平副主席が日本を訪問し、松下や日産などの日本の企業を見学し、新幹線にも乗った。そして、日本を参考として中国の改革開放を進めていく決定をした。歴史的に見れば、中国の指導者は日本との関係を重く見ていた。このような歴史を中国の人々にわかってもらうことは、非常に意義あることだ。 「人民網日本語版」2008年12月4日 |
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