2、中国と日本の09年1月以前のメディアの報道によれば、中国が東中国海地区において単独で開発している平湖、断橋、天外天、竜井、春暁などのガス田はいずれも日本が一方的に画定し、中国側が認めていない東中国海の「中間線」を越えておらず、つまり、中国が一方的に開発している東中国海ガス田はいずれも日本が画定したいわゆる東中国海の「中間線」の中国側にあるということである。日本側の「中間線」から最も近いところにあるのが春暁ガス田だが、同ガス田は中国と日本側の報道によれば、日本側の「中間線」から4-5キロも離れており、中国が開発している天外天ガス田が日本の「中間線」からさらに遠いことは疑いの余地はない。だが、不思議なのは、日本政府が中国の天外天ガス田の単独開発に抗議して以降、日本メディアの報道では天外天ガス田に関する位置図になんとたいへんな大移動が現れ、従来の日本が画定した「中間線」の中国側から、ちょうど日本が一方的に画定したいわゆる「中間線」上に位置するように変わっていることだ。(「毎日新聞」を参照。「天外天ガス田 中国の開発継続は合意違反 日本は抗議」)このように位置が変わったのはなぜか。
第1の可能性は、同配置図において日本が一方的に画定した「中間線」のルートを変えることで、中国側の天外天ガス田の方向へと移動させようとしたことである。第2の可能性は、同配置図において中国の天外天ガス田の標準位置を改めることで、日本が以前に一方的に画定した「中間線」上に近づけようとしたこと。第3の可能性は、中国が従来の中国側にあり、日本が画定した「中間線」から春暁ガス田よりさらに遠い天外天ガス田の開発範囲を拡大したことである。では、このような可能性はあるだろうか。
まず、日本がこの一帯の中国側の開発を厳しく監視し、常に航室や艦艇などを付近に繰り出して巡視していても、中国が天外天の開発範囲を拡大したとの報道はいまだかつてなかった。従って、これは中国が天外天の開発範囲を拡大していないことを逆に裏づけているのではないか。
次に、中国の東中国海地域のすべてのガス田の開発はいずれも日本が一方的に画定した「中間線」より西の中国側でのことだが、これは偶然の一致だろうか。明らかにそうではない。中国は日本が一方的に画定したいわゆる「中間線」を認めてはいないが、中国は日本が一方的に画定した「中間線」を無視したことはなく、両国に紛争をもたらす可能性のある地域で開発は行っておらず、完全に中国側が自ら争ったことのない地区における開発であり、これは中国が東中国海問題で一貫して慎重な姿勢を取ってきたことを立証するものである。では、中日双方が08年6月に東中国海問題について合同開発で合意した状況の下で、中国側は両国関係の大局の角度から考慮して、すでに日本側に大幅な譲歩をしている状況の中、従来のこうした開発政策を変える必要があるだろうか。明らかにその必要はない。
従って、中国側が天外天ガス田の開発を日本が一方的に画定した「中間線」上まで拡大させる可能性は基本的にない。従って、天外天ガス田の位置が変わった原因は第1か第2の可能性が高く、第2はことのほか可能である。
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