ホーム>>中日両国>>社会
思い立ったら前進あるのみ 50代主婦増田はるみさんの留学記
発信時間: 2009-03-24 | チャイナネット

2年前に中国語を始めたという増田はるみさんは昨年、思い切って中国に留学してみることにした。薬剤師のパートと主婦の仕事の合間を縫ってこつこつと勉強していた中国語。子どもたちも親の手を離れた今なら、学んだことを確かめにいけるはずだ。主婦としての責任感や外国での暮らしへの不安。さまざまな葛藤を乗り越え、北京語言大学への5週間の短期留学(08年12月ー09年1月)を果たしたはるみさんに、留学にいたる経緯やシニア留学の心得などを聞いた。

 

中国語を始められたきっかけは何ですか?

4年くらい前に北京を旅行したのがきっかけです。中国にいる息子を訪ねて行ったのですが、始めて間もない中国語を楽しそうに話す息子を見て、私もやってみようかと思いました。それに、漢字が一緒なのに何を言っているのか全くわからないというのも新鮮で、興味がわきました。家事のかたわら、まずはNHKのラジオ講座を聞いたり、テキストを読んだりして勉強していました。それから、「かながわ社会保険センター」という横浜のカルチャースクールで週1回の中国語教室に通い始めました。先生について勉強を始めてからは2年くらいかな。

横浜の中国語教室にはどんな方々が通っていらっしゃるのですか?

私のクラスには約20人の生徒がいます。「生きがいづくり」がテーマのカルチャースクールなので、大体は50代から60代の方々ですね。70歳を過ぎた方もいらっしゃいます。中国語教室の特徴は男性が多いということかな。女性7人に対して男性が12、3人います。それにまじめにレベルアップを目指す生徒さんが多いということも、中国語教室の特徴だと思います。学習レベルが「超入門」から「中級」まで5段階に分かれているんです。

横浜の中国語教室の仲間たちと行った雲南

皆さん、中国語を始めるきっかけはさまざまですが、仕事の関係で中国語を始めた人が多いですね。出張や駐在で覚えた中国語を忘れないためにとか、職場にいる中国人の同僚との交流を深めるためにとか。あとは太極拳や漢詩などの趣味がきっかけになる人もいます。太極拳を練習しているクラスメートは大会で毎年のように中国に行っているそうです。戦前に大連で生まれた方が今になって中国語を始めたというケースもありました。子どもの頃に引き揚げてきたから中国語の記憶はほとんどないけれど、自分のルーツを探りたいといった動機があるようです。

留学を思い立ったのはなぜですか?

横浜の中国語教室でも、中国人の先生が本格的な授業をしてくれています。それでも週1回だけの授業ですから効果には限りがあります。ある程度つめて勉強しないと中途半端なままで終わってしまうという思いがありました。外国語はその国に生まれれば必ず話せるわけだし、語学学習で少しでも前進するためには留学が近道かなと思ったんです。

不安はなかったのかと聞かれますが、まさに「案ずるより産むがやすし」ですね。留学することに決めて、その手続きをしているうちにいつのまにか心は固まっていました。最初に不安しかなければ来れなかったと思うし、あの時に行くことに決めなければ来れなかっただろうとも思います。思い立ったら前進あるのみ(笑)。やってみるとどうにかなります。

留学が決まってからのお友だちや家族の反応はどうでした?

私が留学をしたいというのはみんな知っていたのですが、計画が現実化してくるにつれてさまざまな反応がありました。「一人で大丈夫なの?」という心配の声もありましたが、「主婦なのにそんな勝手なことをして許されるの」というのが友人や知人たちの大筋の意見でした。励ましてくれた友人もいましたが、「家事はどうするの?」「ご主人の食事は?」「子供たちは?」「ご両親は?」と聞かれることが多かった。主婦としては当たり前の疑問ですよね。それでもやっぱり、「中国語を話してみたい」「勉強したことを確認してみたい」という自分の気持ちが強かったので踏み出せたのだと思います。

家族はみんな協力してくれました。入学手続きなどの調べ物でも夫が手伝ってくれましたし、私のいない間は大学生の娘が洗濯や炊事などをしていてくれたようです。私も、トイレットペーパーなど日用品の置き場所をはっきりさせたり、冷蔵庫の中身をきれいにしたり、スムーズな生活が送れるような努力をしました。家族からは、「事故に遭わないように」「健康に気をつけて」と送り出されました。北京はマイナス10度くらいまで下がると聞いていたので、使い捨てカイロをトランクいっぱいに詰めて行きました。

1   2   3    


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 日本ファッションウィークに美人ロボットが登場

· 旧吉田茂邸が全焼

· 中日韓米高校生、勉強の負担が最も重いのは日本

· 100年の歴史を持つ日本の「鉄瓶」を昆明で展示

· 奇抜なコスチュームの東京マラソン参加者(写真)