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加藤嘉一:「博客」が流行る三つの理由
発信時間: 2009-03-26 | チャイナネット
アクセス数が2億を超え、自分の「ブログ集」を出版した女優の徐静蕾さん(右端)
 

なぜ「博客」がここまで流行るのか。私のウォッチでは、三つの背景があるように思う。

まず、インターネット時代の到来が挙げられる。中国におけるネット人口は2007年の時点で2億5000万人を超えた。今後も増加の一途をたどるであろう。

現在、ウェブサイトは世論・マスコミ界において確実に影響力を強めている。とくに「新浪」「捜狐」「騰訊」「網易」などニュース、メール、ブログ、ゲーム、映像、掲示板といった豊富なアイテムを備える総合ポータルサイトは見逃せない。その勢いは活字媒体やテレビをはるかに凌いでいるというのが私の実感だ。

次に、ポータルサイト側が他のアイテムと比べて「博客」を相当重視し、積極的にプラットフォームを創設している現状がある。各社ともブログセクションに相当な数のスタッフを投入し、日々の情報・情勢をウォッチしながら特集を設け、「名博」を中心にブロガー側から提供される文章に、分担して目を通す。そして、価値のある文章をウェブ上における特定のページで、カテゴリー別にプロモーションしていく。

プロモートされた文章のアクセス数は1万、10万、100万、ときには1000万にものぼる。私はこれをブログにおける「三位一体」構造だと認識している。すなわち、ブログという媒体を通じて、プラットフォームを創設し、影響力を高めたいメディア側、執筆を通じて、日々の生活・ウォッチを整理し、知名度を上げたいブロガー側、あらゆる文章を通じて見識を深め、知性を磨きたい読者側の「利害関係」がかなりの程度で一致しているということだ。

ちなみに、中国ではほとんどのブロガーは実名で登録し、個人の写真を掲載している。編集側とのコミュニケーションも、MSNメッセンジャーなどを通じて密に行われている。

最後に、「情報のニーズ」という点から考えてみよう。中国の読者は、少なくとも現段階において、いわゆる「特ダネ」的な情報をいち早く求めるというよりは、誰でも知っている大きな事件や問題に対するさまざまな「視点」「見方」を知りたい傾向があるようだ。

インターネットという社会全体に巨大な影響力を持つ媒体を通じて世論が形成されていく過程で、中国の読者が求める情報のニーズ、そしてそれを的確に察知し、議論を促進することで成長していく「博客」の存在は注目に値する。既存の情報と好奇心たっぷりの消費者との間に存在するグレーゾーンに、ブログは活路を見出していくのかもしれない。

「人民中国インターネット版」より2009年3月26日

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