「ジョン・ラーベ」について、日本は沈黙或いは拒絶なのですか?そうでしょうね。そういう態度しかできないと思います。
現在の日本の空気では、南京虐殺に代表される所謂「歴史問題」については、明らかに拒絶して右翼や恥知らずの仲間入りをするのでなければ、無知と無関心を装うしかないのです。でないと「村八分」にされたり、時には命を狙われる危険をも覚悟しなければいけません。(中略)
とはいえ、香川さんのように、深い見識と覚悟を持つ俳優さんが、今だ日本の芸能界にいらっしゃるということ、これは喜ばしいことであり、救いです。
残念ながら、同じ日本人としての私には、理解できないことなのですが、60年以上もたつ自国の過去の罪を映画という形で見ること、その何が、それほど不都合なのでしょうか。一体何を恐れているのでしょう?ナチス暴虐を批判し平和を訴える映画がドイツで放映禁止され、主演俳優が批判に晒されたという話は、聞いたことがありませんし、ナチスの残虐の下に殺されていく無辜の人々を描いた映画は、かつてナチスと同盟国であった日本でも無抵抗に上映されています。何故「アウシュヴィッツ」はオーケーで、「南京」はダメなのでしょうか。ユダヤ人には同情できても、中国人には同情できない?まさか、日本人は自然と命を心から愛する民族ですから、そんなことありませんよね?
右翼的な発想ですと、このような映画を見ると日本人が日本人であることを恥じ、日本国や民族を憎み、挙句の果てに日本の体制を否定するようになとか、中国への罪悪感に苛まれて、日本人が中国に頭が上がらなくなり、「言うべきことを毅然とした態度で言う」ことができなくなるとか、このような映画を上映したり見ること自体が、中国に土下座をすることになるとか、「非国民」であるとか・・・。まさか、良識高い一般日本人は、こんなこと本気で考えたりしないでしょうね?
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