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香港『大公報』「日米は火に油を注ぐべきでない」
発信時間: 2009-04-03 | チャイナネット

朝鮮が4月初めに「光明星2号」衛星を打ち上げると宣言した後、日韓米は朝鮮が打ち上げるのは「テポドン2号」弾道ミサイルだとし、その動きに細心の注意を払っている。香港『大公報』は31日に論評を発表し、緊張高まる朝鮮半島の情勢に対して、米日は火に油を注ぐべきでないとし、次のように指摘した。

今年初めから、朝鮮半島の情勢がエスカレートしつつある。朝鮮のロケット発射が間近に迫るにつれて、半島の緊迫した情勢は南北関係を越え、米日に影響を及ぼしている。ここ数日、米日は迎撃しようと緊急行動を取っている。しかし、朝鮮は、「打ち上げるのは『光明星2号』試験通信衛星であり、ミサイルではない」と宣言し、「国際法に基づき、いかなる国も宇宙空間を平和的に利用する権利を持ち、米日などの国はこれを阻止する権利はない」とし、「迎撃されれば、惜しまずに最も猛烈な手段で報復を与える」と指摘。

以前、朝鮮のミサイル発射試験はいつも秘密裏に行われ、国際社会に反応の暇を与えないほどだったが、今回は公に宣伝している。その中の微妙さは意味深長だ。朝鮮にとって、今回の打ち上げは勢いから見て行わなければならないことだ。昨年下半期以降、朝鮮はオバマ政権の朝鮮核問題に対するボトムラインに何回も探りを入れたが、米国はずっと沈黙している。

朝鮮は「打ち上げるのは人工衛星だ」と何度も主張しているが、米日韓は「打ち上げるのは『テポドン2号』弾道ミサイルであり、衛星ではない」と一致して認識している。実際のところ、朝鮮が打ち上げるのがミサイルであろうと、衛星であろうと、米日にとってはいずれも許せないものだ。ミサイルと衛星の発射のメカニズムは同じものであり、いずれも運搬ロケットが必要であり、特に大きい推力の運搬ロケットが必要だ。運搬ロケットは平和利用として人工衛星や有人宇宙船を打ち上げることができるが、戦争にも使え、ミサイルや核兵器を運搬することができる。したがって、一国の宇宙飛行水準はその国の戦略打撃能力を表わすものだ。朝鮮が戦略打撃能力を米国本土まで伸ばせば、米国は半島情勢に対する主導権を完全に失うことになる。

朝鮮半島の情勢は一触即発の状態にあり、東北アジアの安全も厳しい試練に直面している。米日韓が行った合同軍事演習、迎撃行動は疑いもなく火に油を注ぐ役割を果たすものだ。米日の迎撃行動は疑いに基づくものにすぎず、いまだに朝鮮のミサイル発射の確実な証拠をつかんでおらず、正当な理由のない行動だといえるだろう。一方、朝鮮軍が厳しい警告を発したことは理にかなっているようだ。

戦争は朝鮮半島に平和を与えることはない。衝突を解決する唯一の方法は平和的に交渉することだ。各側は平和的な政治姿勢を示し、特に米日韓が情勢を激化させる措置をとらないことによってのみ、敵意を打ち消すことができ、6カ国協議を改めてスタートさせることができ、すでにスタートした半島非核化プロセスを継続させることができるだろう。

「北京週報日本語版」2009年4月3日

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