税金は納税者の金だ。東京で暮らすには様々な面で高い税金を払わなくてはならない。税金は新しい五輪会場建設やその周囲の高速道路の整備に使うより、都市部の医療システムや教育システムの改善に使う方が妥当だ。もちろん失業者のための情報ネットワーク構築やホームレスを対象としたサービスの向上に役立ててもいい。
第二に五輪を開催する必要がない。短期的にみれば五輪開催にはメリットがある。たとえば建築業が盛んになり、観光客が増え、雇用機会が増大する。こうした「五輪効果」がよく言われる。
だが日本はすでに世界2位の経済体だ。日本に必要なのは道路や橋や電力網などのハードウエアの充実ではなく、起業の精神や創造性といったソフトウエア面の充実だ。東京がより多くの観光客を呼び込みたいならば、廉価な外国語表示をもっとたくさん設置するとか、交通費やホテル料金の値下げに努めるとかしたほうが効果的だと思われる。
第三にスポーツの商業化が行き過ぎている。スポーツの商業化が競技そのものの魅力を損なっている。多くの種目では「米国人のスター選手」とそのシューズとのドラマが最大の焦点になっており、選手がどこと何百万ドルの契約を結んだか、その中身は何かということばかりが問題にされる。もはやスポーツに見るべき点があるのだろうか。五輪は本当に必要ない。
「人民網日本語版」2009年4月24日
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