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麻生太郎首相、毎週コミック雑誌10冊読破
発信時間: 2009-04-29 | チャイナネット

現在68歳の麻生太郎首相は、歴史および外交問題では強硬派として知られ、その「失言」が原因で周辺諸国の反発をたびたび招いている。

名門政治家一族の出身で、学習院大学政経学部卒業後、米国スタンフォード大学大学院と英国ロンドン大学政治経済学院に留学し、その後シエラレオネでダイヤモンド採掘事業に携わった。帰国後、1966年に実家のセメント会社に入社した。

大変なスポーツ好きとして知られ、ゴルフと射撃の実力は相当なもの。第2回メキシコ射撃大会のクレー・スキートの個人・団体で優勝し、1976年にはモントリオールオリンピックにクレー射撃の日本代表として参加した。

また、「漫画おたく」でもあり、毎日30分アニメを鑑賞し、毎週コミック誌10冊を読破する習慣があるという。こうした漫画・アニメ好きのイメージから少なからぬ若い有権者の票を獲得している。

若い漫画ファンは麻生首相に大変親しみを感じている。麻生首相が自民党総裁選挙への立候補を表明してから、日本の一部アニメ関連企業の株価が上昇し、同首相をイメージキャラクターにした商品も売り出された。

米国AP通信は、麻生首相が無類のアニメ好きであるほかに、キューバの葉巻を好み、金のネックレスを愛用している姿も伝えている。

 

麻生首相の漫画外交

子ども向けのテレビアニメシリーズ「ドラえもん」や「ポケットモンスター」、および2003年にアカデミー長編アニメ賞を獲得した宮崎駿監督の映画作品などの日本アニメの代表作は、世界で高い知名度を誇っている。麻生首相は日本の政界では「漫画麻生太郎」や「おたく族大臣の麻生太郎」と揶揄されているが、日本のアニメ文化の影響力を外交分野で発揮させようと力を注いできた。

2006年4月28日、麻生首相(当時は外相)は「文化外交の新発想」と題するスピーチの中で、アニメ文化が「文化外交」において発揮する力について言及し、日本のアニメ作品は多くの国で、若者の心をつかむという外務省には達成不可能なことを成し遂げた、と指摘した。

麻生首相の「漫画外交」は3つの重要なステップで構成されている。1つ目は24時間日本のアニメや流行文化のコンテンツを専門に放送する海外向けテレビチャネルの開設、2つ目は「漫画界のノーベル賞」の設立および日本のアニメクリエーターを「アニメ文化大使」に任命する計画だ。また、3つ目は、漫画外交の最重要ポイントとして、国際的な漫画の最高賞を創設することで、東京の世界的な漫画の中心地としての地位を確立する計画である。

「漫画外交」戦略が発表された当時、日本人の多くは若者の支持を集めるための空論と見ていたが、わずか1年で計画の一部が実現した。2007年5月22日、外務省は世界の漫画ファンに開かれた賞として、「国際漫画賞」を創設すると発表した。

麻生首相は、漫画王国である日本が、世界各国の優秀な漫画作家に権威ある漫画賞を授与すべきであると認識している。この賞は「漫画界のノーベル賞」または日本文学界の芥川賞に相当するものとして位置づけられており、才能ある漫画作家に対するチャンスの提供を目的としている。また、麻生首相は東京を世界的な漫画の中心地と称しており、世界最大の漫画大国として権威ある地位を確立するほか、海外からより多くの若手漫画作家が来日し漫画を学ぶことを期待している。

2007年5月31日、当時外相としてポーランドを訪問していた麻生首相は、漫画を携えアンナ・フォティガ外相(当時)と会談し、文化交流を通じたポーランドとの友好関係構築への期待を示した。

ポーランドでは1990年代以降、漫画人気が次第に高まり、日本の『犬夜叉』や『ドラゴンボール』などの漫画の翻訳版が出版された。ポーランド訪問時、麻生首相は『らんま1/2』をフォティガ外相に贈った。これに対し、フォティガ外相が「日本の漫画がポーランドに浸透しているのは喜ばしいことです」と述べると、麻生首相はすぐさま「次回来日された折には、アニメ製作の現場をご案内しましょう」と答えたという。

また、これより前、外務省が人気漫画の主人公「名探偵コナン」を採用した広報パンフレットを作製したが、これも当時外相を務めていた麻生首相らしい試みと言える。麻生首相はパンフレット作製発表の際、コナンという人気漫画キャラクターを通じ、日本の外交により興味を持って身近に感じてもらいたい、と語ったという。

実際、麻生首相自身かなりの漫画好きで、米国留学時代には母親に毎週航空便で漫画を送ってもらっていたほか、車には常に様々な漫画が置かれているという。ただし、麻生首相が漫画・アニメを政治手段として活用しようとしている点は、他にない大きな特徴となっている。麻生首相は「文化外交の新発想」を具体化するために、多大な努力を払ってきており、ようやく実現に至ったと言えよう。

 

「チャイナネット」 2009年4月29日

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