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JICA理事長:四川大地震、あれから1年
発信時間: 2009-05-13 | チャイナネット

独立行政法人国際協力機構理事長 

緒方貞子

 

四川大地震の発生から、本日で一年が経ちました。

甚大な被害を受けた四川省、甘粛省、陜西省等の皆様、なかんずく、ご家族や近しい方を亡くされた皆様には、また悲しみを新たにされていることと思います。国際協力機構(JICA)を代表し、改めて、心からお見舞いを申し上げます。また、皆様が、この未曾有の大災害に立ち向かい、様々な困難を乗り越え、復興に全力で取り組まれていることに、深い敬意を表します。

四川大地震発生の折、日本政府・JICAは、地震発生直後から、国際緊急援助隊の救助チーム・医療チームを派遣し、青川県、北川県の被災地域での救助活動、及び、四川大学付属華西病院での負傷者の治療活動に従事いたしました。当時、国際緊急援助隊の活動に対しては、中国側の関係機関やボランティアの方々からのご支援に加え、現地で多くの方々から激励をいただき、隊員も感激したと聞いております。厚く御礼申し上げます。

JICAは、地震発生時の緊急援助だけでなく、その後も、さまざまな復興支援活動に取り組んでいます。昨年には、日本で阪神・淡路大震災や新潟中越地震からの復興に携わった日本の専門家が中国を訪問し、四川大震災の復興作業に携わる専門家の方々に、復興・防災対策や被災者の心のケアなど、「地震国日本」の経験と知見を直接お話しする機会を設けました。

今後、復興に向けての足取りがより速く、より確かなものになると共に、日中両国国民の「隣人」としてのつながりがますます強まり、「人間の安全保障」が両国において実現するよう、皆様と共に復興の道を歩んでまいりたいと思います。

 

2009年5月12日

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