世界銀行元総裁のジェームズ・ウォルフェンソン氏は13日、上海の外灘3号で開かれたフォーラムに出席し、「中国とインドが2050年前後に米国と日本に取って代わり、世界経済の動向に大きな役割を果たすようになる」との見方を示した。中国新聞社が伝えた。
ウォルフェンソン氏は1995年から世界銀行の第9代総裁を務め、2005年5月31日の離職まで2期連続で総裁を務めた。世界銀行の総裁を2期連続で務めたのはウォルフェンソン氏が3人目だ。ウォルフェンソン氏は現在、ブルッキングス研究所の名誉理事とニューヨーク・センチュリー協会のメンバーを務める。
ウォルフェンソン氏はフォーラムで、「ウォール街・世界銀行・万里の長城に関する対話」と題したスピーチを行った。同氏によると、中国経済の状況は全体的にいって良好だといえる。「金融危機によって対外貿易に大きな影響が出ているものの、国内需要の拡大と国民消費の刺激という中国政府による政策は、中国経済にとって大きな支えとなっている。中国は世界で最も活力のある経済体であり、中国経済の将来を危ぶむ声は欧米にはない」
ウォルフェンソン氏によると、欧米の経済発展システムは過去40年から50年の間はうまく動いていた。だが長期的な発展のなかで経済モデルが極端化したことで、システムの崩壊が起こってしまった。同氏によると、中国とインドのGDPは2050年には世界のGDPの45%を占めるようになる。「中国とインドは人口で世界トップに立っているが、両国経済は今後も大きな成長を続け、米国と日本に取って代わって経済でもトップの2カ国となる」
上海外灘3号は、一般の人々にも開放された無料のフォーラム「三言舎」を開いている。このフォーラムでは、世界各地からの著名人が中国の聴衆に自らの観点を紹介する。政治・経済・文化など各分野の話題を参加者が討論することもできる。
「人民網日本語版」2009年5月14日 |