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金融危機を背景とした中日米関係(1)現状
発信時間: 2009-06-08 | チャイナネット

文=周永生

中国外交学院国際関係研究所の周永生教授は3月30日、日本経済団体連合会(経団連)経済広報センターの招きで、『金融危機を背景とした中日米の三国関係に関する考察と対策』をテーマに経団連会館で講演を行なった。

講演の内容は、金融危機を背景に客観的に中日米の三国関係の積極的な要素を見つめ、政治や経済に存在する問題を正視して、将来の三国関係の確立推進に対して戦略的な構想を提起するというものだった。詳細は以下の通り。

 

中日米三国は、金融危機のショックを受けて、協力態勢で危機に対応してきた。そして頻繁な外交交流によって、冷戦時代の互いの対抗的心理をほぼ脱却し、良い意味で相互に関係し合う政治、経済協力の軌道に乗ることができた。同時に、グローバリゼーションをベースとして、経済貿易交流のさらなる緊密化、相互依存、成功と失敗の共有という経済の枠組みが形成されている。これらは、三国関係強化の基礎であり、今後、さらに緊密な政治及びその他の関係を構築する上で、大きな影響を及ぼすであろう。

 

(一)経済関係が密接して連動。成功と失敗を共有、相互依存。

 

(二)政治関係も緊密に連動。

 

中日・日米・中米間では、三カ国の政治的連動関係が密であり、二国間ハイレベル交流も盛んである。また、リーダー同士の接触も増えている。

 

日米関係は、日米同盟の存在及び歴史的原因により、依然としてアジア太平洋地域における最も緊密かつ安定した二国間関係である。

 

国務長官ヒラリー•クリントンはまず日本を訪問したし、オバマ大統領は初会見する外国政府首脳を麻生首相とした。こうした外交上の配慮は、米国が世界に君臨し世界を導いているという心理の表れであると同時に、米国が日本の面子を考慮し日本を重要視していることの表れでもある。しかし、この二回の外交接触は儀礼的な要素が、実質的要素より大きい。すなわち、実質的な政策上のブレークスルーがあったわけではなく、これは米国がアジアにおける最重要同盟国日本に対する礼儀を反映したもので、実質的には慰撫政策であると言えよう。もちろん、米国の学術界や政界には、日本の民間資金を利用して米国経済を救おうと主張する者もいる 。従って、米国経済がいまだ混乱している状況下において、米国は日本の戦略的地位と実力を非常に重要視していることは間違いない。

 

中米関係はますます戦略的かつグローバルな関係へと転換しつつある。両国首脳はこの一年間に何度も会合し、日常的に連絡を取り合っている。両国はすでに60以上の対話協議メカニズムを構築した。

 

2009年2月21日、ヒラリー・クリントン国務長官は中国を訪問した折、中米副大臣級の「戦略対話」を大臣級又は中国の総理と米国副大統領級の対話に格上げし、この「戦略対話」と以前からの大臣・副総理級の「経済対話」とを合わせて、ハイレベル接触定期対話メカニズムを作るよう提案した。ヒラリー・クリントン氏は、胡錦涛主席とオバマ大統領が4月のロンドンの20ヶ国指導者金融会議の際の二国間会談において、「戦略対話」の具体的形式を宣言するであろう、と述べた。 これは、中米指導者の接触と意思疎通の全面的レベルアップである。

 

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「チャイナネット」 2009年6月8日

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