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金融危機を背景とした中日米関係(2)4つの欠陥
発信時間: 2009-06-08 | チャイナネット

(二)三国間で意思疎通と協力を図るメカニズムが欠けている。

中日米の三カ国は、世界のGDP上位3位の経済大国であり、しかもアジア太平洋地域、特に東アジア地域において最も影響力の強い三大国家である。しかし、この三大国間には、その地位と影響力にふさわしい意思疎通と交流のメカニズムがない。ただ二国間あるいはその他の多国間の接触とコミュニケーション・プラットフォームを通じて交流しているに過ぎない。これでは、三国関係に一種の構造的欠陥があると言わざるを得ない。これはアジア太平洋地域、特に東アジアの安全、安定、発展にとって一種の損失である。

 

(三)金融分野の交流と協力が不足

金融危機問題を解決する実力が最も高い中日米三国間に、これに対応する協調メカニズムが欠けている。日米間に為替レートに関する相互協議が存在するものの、両国政府が有効に連携行動を採った形跡は見当たらず、円の為替レートは上がり続けている。2009年年初、円の為替レートは2006年に比べ約30%上昇した。主に米ドルで決済している日本企業は深刻な損失を蒙り、日本の実体経済は大きな損害を受けることとなった。

 

(四)貿易関係と技術協力の欠失

3月4日、日本の警視庁と広島県警察は合同で広島県福山市の「horkos」(ホーコス)という工作機械を大量生産する会社の本社を捜査し、同社海外営業課主任等合計4名を逮捕した。 その理由は、これら社員が中国、韓国に向けて、日本が輸出を規制している核兵器の遠心分離機の製造が可能なハイテク工作機械を輸出した、というものである。当該事件は、日本のハイテク輸出規制政策が米国と同様に時代遅れであることを反映している。中国は1964年には初の国産原子爆弾を製造し、さらに現在では非常に高度な原子力技術を有している。韓国は核兵器を保有しないと明確に宣言している。従って、日本のハイテクを守ろうとするこうしたやり方は、核兵器製造の阻止には何の作用ももたらさないばかりか、韓国、中国の技術の進歩を制限することもできない。多分米国の結末と同じく、傷ついたのは自国の産業のみであろう。

 

日本が自国産業を害した顕著な例は、中国高速鉄道建設における技術移転に対する保守的な態度である。日本のこうした態度が、新技術を中国に売ってくれるドイツのシーメンス社を選ばせた。2005年、中国とシーメンス社は6.9億ユーロにも上る契約を締結し、京津高速鉄道への技術サポートが行われた。2008年のオリンピック直前に、通常運行速度300km、最高運行速度350kmの京津高速鉄道が竣工した。日本はその保守的な技術移転政策により、本来獲得すべき中国の当該市場を失い、日本企業が比較的容易に得られたはずの大きな利益を減少させ、日本企業自身の発展を阻害したのである。

「チャイナネット」 2009年6月8日

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