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日本企業の撤退が増加 約7割が製造業
発信時間: 2009-06-15 | チャイナネット

金融危機の影響の拡大につれて、中国から撤退する日系企業が出てきている。日本貿易振興機構などの団体では、日系企業の順調な撤退をサポートするための説明会を開き、撤退を希望する企業に対して法律や情報などの面での援助を提供している。撤退後の違約訴訟への準備を整えている企業もある。「経済参考報」が伝えた。

 

専門家によると、日系企業には大規模な撤退は見られていないものの、企業撤退が引き起こす産業チェーンへの連鎖反応には注意する必要がある。また政府部門は現在の経済状況下、就業口の増加を維持するため、警戒・防止・指導の任務を展開し、外資撤退による損失をできるだけ小さくする必要がある。

 

▽日系企業撤退の2つの理由

調査によると、日系企業の中国撤退は、72%が製造業に集中している。地域別では、長江デルタ地区と珠江デルタ地区への集中が見られる。この地域は、中国の労働力コストの上昇率が最も早い地域であり、土地や電力などの生産資源が最も逼迫(ひっぱく)した地域でもある。東北地方の遼寧省では瀋陽と大連の2都市に日系企業が集中しており、この2都市では、労働力コストが省内の他の都市より高いなどの長江・珠江デルタ地区と似た状況が見られるため、注意深い観察が必要だ。撤退した企業の種類から見ると、小型の企業がほとんどで、ITや電子機器などの産業が主となっている。この種の産業は競争が激しく、技術の更新速度が速く、産業の流動性が高く、撤退コストも低い。そのため企業が撤退してしまうリスクが高い。

 

東北財経大学の副学長を務める呂イ教授によると、日系企業撤退の特徴と傾向から、撤退の理由は主に2つあると考えられる。第一に、金融危機をきっかけにしたもの。金融危機は日本経済を大きく収縮させた。長年の経済不振を経て、日本のGDPは08年第4四半期に2ケタのマイナス成長に陥った。IMFの予測によると、日本経済は今年、6.2%の縮小となる見込みだ。日本経済の不景気は、海外の日系企業の経営と生き残りに直接影響する要素となった。

 

第二に、日系企業の撤退は、労働力コストに敏感に反応する国際産業移転の性質を表すものでもある。中国の労働力コストは世界的に見れば低い部類に入るが、アジアでの競争力はそれほど大きくはなくなった。東南アジアの労働力コストはすでに中国より低くなっている。これらの国はすでに、外資誘致の分野で中国との争いを力強く展開するようになり、中国を撤退した企業の投資を勝ち取っているところもある。

 

東北財経大学の郭暁丹博士は、「この2つの面から考えると、一部の日系企業が撤退しているのも生存競争の結果であり、市場経済下での自然的選択の結果であると言える」と語った。

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