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日本で外国人研修生の過労死、過去最多
発信時間: 2009-07-06 | チャイナネット

林熠(『青年参考』誌特約ライター)

日本の『読売新聞』、『毎日新聞』、『時事通信』などのメディアによると、日本の外国人研修生問題弁護士連絡会は22日、舛添要一厚生労働大臣に質問書を提出し、過酷な労働環境による研修生・実習生の過労死の実態調査と対策の検討を早急に実施するよう申し入れた。現在、日本政府側から具体的な返答はない。

研修生の死亡者数が急増 大半が過労死

当日、中国からの研修生・丁建輝さんら3人が東京都内で記者会見を行い、「月100~130時間残業させられ、月給は約11万円(約7887人民元)しかない。このような給料では日本で最低限の生活さえ保障されない。しかも、企業が手配してくれた寮はコンテナであったうえ、企業は昨年末に突然自分を解雇した」と自らの境遇をメディアに訴えた。もう1人の中国人研修生・姜祥義さんは、もともとは日本で大工の仕事に従事すると言われていたが、実際には健康を大きく損なう石綿(アスベスト)を取り除く仕事に従事させられている、と語った。

一部の研修生は長期にわたって体と精神の二重の圧力を背負っているため、健康状態が特に懸念される。研修生らの受け入れを支援する国際研修協力機構(JITCO)の統計によると、08年度の研修生・実習生の死亡者数は計34人で、前年度よりも13人増えて過去最多になった。死因は脳・心臓疾患が最も多く16人で、同世代の日本人の発生率と比べほぼ2倍となっているという。

同連絡会の責任者の1人である指宿昭一弁護士は「研修生・実習生の中には、残業が月200時間を超える人も珍しくなく、脳・心臓疾患の多くは過労死だと思われる」と語った。08年度に死亡者が急増した要因の一つについて、「景気悪化の背景の下で給与の高い日本人社員などを解雇した結果、研修生・実習生に過度の負担がかかったのではないか」と分析した。

福祉もなし、身分証明書もなし、人権もなし

日本政府は1980年代から研修制度を実施し始めた。その本来の意味は発展途上国の人々に日本の先進技術を身につけてもらうためであるが、ここ数年来、研修生が企業に搾取されたと非難するケースが多く発生し、研修生が企業を訴える訴訟事件がよく起こっているため、研修生の「過労」などの権利侵害問題がやっと人々に注目されることになった。今年3月、日本の明石書店は「外国人研修生 時給300円の労働者2」を出版した。実際には実習生の時給が300円(22人民元)以下である現象はあまねく存在している。厚生労動省が07年に公表した最低賃金の基準によると、当時の平均時給は673円だった。

日本の研修・技能制度はもともと日本と発展途上国が「ウィン・ウィン」を実現するための制度であるが、残念ながら、現在、それは初志から大きく離れてしまっている。研修生を受け入れる一部の企業の本当の目的は安価な労働力を招聘しようとするもので、研修生の人権侵害事件を頻繁にもたらすようになってしまった。

日本政府は研修生の問題についてあまり正式に態度を表明したことがない。指宿昭一弁護士は「非常に怒りを覚えている。日本政府は、研修生を受け入れるなら、彼らのために良好な環境を提供し、彼らを安全に帰国させるべきだ。しかし、数多くの研修生が過労死する可能性があるのに、政府はこれを真剣に調べない。日本人として、非常に恥ずかしい」と語った。

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