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加藤嘉一:「言語」から未来の中日の実力構図を読む
発信時間: 2009-07-21 | チャイナネット

中国のメディアで活躍する北京大学の「カリスマ留学生」加藤嘉一さんは、初の中文著書となる『以誰為師』を発表した。同書は「体験編」「感受編」「観察編」「思考編」「探索編」に収めた125の文章を通して、加藤さんの中日両国の関係、交流などに対する見方を伝えている。この中で、中国語ができる日本人が、日本語ができる中国人と交流する際、双方が日本語を用いる点に注目。こうした状況が中日関係の未来における実力構図を決定し、日本が文化面で下位に置かれる可能性があると、以下のように指摘している。

 

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中国語と日本語はいずれも習得困難

中国と日本はいずれも東方文化圏に属する。文化面からみて、中国と日本は同じ流れを汲む一衣帯水の隣国同士だ。現在、私達は政治、経済、貿易、金融、軍事、外交関係を絶えず注目しているが、文化関係を軽視すべきではない。中日両国が現在、良好な文化関係を築く中で、言語コミュニケーションが非常に大きな推進力を有している。まず、言語コミュニケーションを行うことで、相手側の文化をより深く理解することができる。

私が中国に来て3年が経った頃、ある予感が少しずつ湧き始めた。それは「言語」が中日関係の未来における実力構図を決定する可能性があるということだ。

まず、中国人が日本語を話し日本人が中国語を話す点から考えてみよう。中国人と日本人いずれにとっても、1つの外国語を習得するのは容易なことではなく、精通レベルに至るのは更に困難である。まして、中国語と日本語はいずれも豊かな表現性を持つ奥深い言語であるが、複雑な文法体系、文字構造、発音体系、表現方法、文化要素を有している。中国語と日本語は英語よりもはるかに習得困難な言語だとは言わないが、英語よりもはるかに複雑で、奥深いと断言できる。

現在、中国人が日本語を、日本人が中国語を話す状況を見て、私は比較的ダイレクトでリアルな感想を持った。率直に言えば、人口比を考慮しても、中国人の日本語習得・精通率に比べ、日本人の中国語習得・精通率が非常に低いのは明らかだ。私の知る限りでは、東京、北京、大阪、上海のいずれにおいても、日本語ができる中国人と中国語ができる日本人が会した時、ほとんどの場合、日本語を話すことになる。これは私が5年間、中日交流活動に携わり身をもって実感したことだ。

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