山田洋次監督作品が中国人に訴えるもの

山田洋次監督作品が中国人に訴えるもの。 こうした「どこにでもいる人物」は、高度経済成長期に社会の片隅で生きている名もなき人たちを彷彿させるものである。本当を言えば、我々のそのほとんどが、無数にある何がしかの集団のただの一人に過ぎないのだ…

タグ: 山田洋次 映画 監督 作品 

発信時間: 2012-06-15 09:44:31 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

文=コラムニスト・陳言

壇上の山田洋次映画監督は白髪頭とは言え、80歳とは思えない若さを秘めた人物だ。

中国の今の若者に、山田洋次監督の作品を詳しく知る人はあまりいないだろう。だが、改革開放直後の中国では、「幸福の黄色いハンカチ」、「遙かなる山の呼び声」、「男はつらいよ」シリーズなど、山田監督が手掛けた作品を知らない人はいないほど人気を博していた。

1980年代、改革開放政策が実施されていたとは言え、中国人にとって外国の日常生活を窺い知ることができるのは映画だけだったと言えるだろう。中国人が目にした山田監督の作品は、日本の現代的で洗練されたものではなく、田舎の人情味あふれるシーンが満載したものである。立派でもなく、欠点だらけで、そんなどこにでもいる、そんな「普通の人」の日常生活を映し出している。

「男はつらいよ」の寅次郎は、高度経済成長期の日本において、決して誇れるような人物ではない。「綺麗な女性にはすぐに惚れるが、いつも振られてばかり。こんなだらしない男を撮りたかった」と山田監督は言う。幸運にも寅次郎には故郷柴又に家があって、失恋して辛い時にも、ここに帰れば温かく迎えてくれる家族がいた。

2010年、山田監督が手掛けた「おとうと」では、酒を飲んでは問題を起こし、自堕落な生活を送る弟・鉄郎(演・笑福亭鶴瓶)が描かれている。この弟が最も自慢している事と言えば、自分が姪の名付け親だということだけである。「彼は幼い時から一度も褒められたことないんじゃないか、親にも、先生にも。たまには鉄朗くんに花をもたせてやろう」という、吟子の亡き夫の配慮から、鉄朗に小春の名付け親を依頼したというエピソードも作品中に盛り込まれている。鉄郎が臨終の折にも、姪の名付けをした時の思い出話ばかりを繰り返す。挫折ばかりの人生を歩んで来た鉄郎だが、家族の絆に支えられた一生だったに違いない。

コラムニスト・陳言 「日本スケッチ」

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