日本、大使の一時帰国で何を「正しく伝達」したか

日本、大使の一時帰国で何を「正しく伝達」したか。 大使は国家間の関係を取り結ぶ架け橋である。「正しく伝達する」のは日本政府の立場で、その対象は中国政府とされている。釣魚島を巡る争いが激化し、両国政府が対立を深める中、いわゆる「日本政府の立場」はこれまでと比較して大きな変化がなく、わざわざ強調するまでもない…

タグ: 丹羽 大使 帰国 釣魚島 民主党 抗議

発信時間: 2012-07-16 15:51:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

丹羽宇一郎中国大使が7月15日午前、外務省に「一時帰国」を命じられ、「更迭」、「中国での駐在を中止」等、さまざまな憶測が飛び交っている。外務省は、同大使の送還は抗議を示すものではないと表明した。玄葉光一郎外相が同日午後に丹羽大使と面会すると、共同通信社は大使を帰国させた目的について、「日本政府の立場を、正しく伝達させるため」と伝え、丹羽大使が16日に中国に戻る予定とした。

丹羽大使は2日間で両国間を行き来したが、これによりどのような情報が「正しく伝達」されるのだろうか。

大使は国家間の関係を取り結ぶ架け橋である。「正しく伝達する」のは日本政府の立場で、その対象は中国政府とされている。釣魚島(日本名:尖閣諸島)を巡る争いが激化し、両国政府が対立を深める中、いわゆる「日本政府の立場」はこれまでと比較して大きな変化がなく、わざわざ強調するまでもない。ゆえに日本政府が情報を「正しく伝達する」対象は、中国政府だけとは限らないかもしれない。

まず、田内閣と民主党は「中国大使の一時帰国」という、抗議によく用いられる外交手段により、「政府の強硬な対中政策」、「中国の圧力に屈しない強いイメージ」を強調し、国内の一部のナショナリストに迎合しようとしている。

それに、野田内閣と民主党は苦境に立たされている。支持率が長期的に低迷しており、小沢氏による離党と新党設立を受け、政権与党としての勢力を維持できない異常事態に陥っている。丹羽大使の一時帰国により、政府と政権与党の地位を固め、余裕を得ることも、目的の一つかもしれない。

さらに、野田内閣と民主党の弱体化により、一部の野党と政治家が「ナショナリズム」を掲げ、「強硬な外交」を武器に、野田内閣と民主党を「軟弱で無能」、「主権を失い国を辱める」という受動的な立場に置こうとしている。民主党は「強硬な外交」を先に打ち出すことで、外交手腕をアピールすることができる。丹羽大使の一時帰国は、国内の政敵に対して上述したシグナルを「正しく伝達する」良策かもしれない。

このような強硬姿勢は、釣魚島問題や中国に限られるものではない。日本はロシアと北方四島の領有権を巡り対立し、韓国と歴史や領有権の問題で対立を深めている。これらの動きに対して、傍観者も「正しく理解」する必要がある。

野田内閣には「知中派」が少なく、中国側との協議を通じて誤解を解くことのできる「中国通」がいない。中国に詳しく豊富な外交経験を持つ丹羽大使が、日本の政界から非難を浴びており、「更迭」が現実味を帯びる可能性もある。仮に丹羽大使の立場が揺るがされれば、中日の相互信頼関係が危機に陥る現在、「立場を正確に伝える」ことがより困難になるだろう。(文=陶短房)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年7月16日

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