今年は中日国交正常化40周年に当たり、過去を見ると、両国政府と民間友好団体は一連の記念活動を行ってきたが、それに代わって今年は日本政府と民間による一連の破壊活動が繰り広げられている。
中日関係がこのような状況になったことは非常に痛ましいことだ。筆者は1979年から日本語の翻訳業務に携わっているが、当時は中日友好の黄金時代であり、中国は日本の設備、技術、人材を大量に導入し、日本人の中国観光を解禁し、日本から多くの青年を中国に招いた。日本政府は円借款を行ったほか、中国の経済建設にも全面的に支援を提供したと言える。日本で街を歩いていると、「中国人ですか。戦争賠償を要求しないことに感謝しています。中国人はいい人たちです。中国と日本は仲良くしなければいけません。日本と中国は兄弟のような関係です」などと言われることがよくあり、当時の日本政府が多くの取り組みを行ったことがわかる。
もちろん、中日友好のために中国も多くのことを行ってきた。日本人に傷つけられた人たちの遺族は、日本人が再びやって来たと聞くと怒りを抑えきれず、日本人に仕返しをしたい衝動に駆られ、命を懸けてもよいと思っているほどだ。では、どうしたらよいか。日本人が来る前に、各級政府に庶民に対する思想活動を行うように働きかける必要がある。政府は、「侵略したのは前の世代の日本人で、今の世代の人ではない。今の日本人は友好のため、中国の経済建設を助けるためにやって来た人たちだ」と説明し、説得できるまで繰り返しこれを行わなければならない。13億人の人口を抱える国で、数千万人の被害者家族が数十年もの間、誰一人として復讐心から日本人を傷つけなかったことは容易なことではない。日本人はやがて中国を「観光客の天国」とし、いたるところで中国人の親切さを感じられると称えるようになった。中国政府が国民の復讐心を抑えるために支払った代価を彼らが知るはずない。
ところが、中日両国が友好に努める中、日本の反中勢力は逆の行動を続け、靖国神社参拝、歴史教科書の改訂、釣魚島での挑発行為、「中国脅威論」の誇張、中国人のイメージ批判などの行動を繰り返し行った。幸いにも日本の前のいくつかの政権は中日友好の大局に配慮していたため、中日関係は衝突しながらも維持できていた。
しかし、野党時代に中国との友好を堅持してきた民主党の近ごろの動きには驚愕させられる。新年早々、民主党は地方議員4人の釣魚島上陸を放任した。その後すぐに釣魚島周辺の一部の島の名称をすでに決めたと発表。続いて、野田首相と石原慎太郎氏は同時に「島購入」構想を唱え、さらには中国を侵略した7月7日に合わせて日本政府の釣魚島「国有化」計画を発表した。そのほかにも、日本政府は軍事面の投資、行動、装備を強化したり、ベトナム、フィリピン、インドなどに中国の南中国海での争いを促したり、中国に対する軍事的囲い込みの姿勢を見せたりしている。
日本政府はいったい何がしたいのかと問いたい。中日の政府と国民が数世代かけて苦労して築き上げた二国間の友好と信頼は、日本が繰り返し行う軽率な挑発によって急速に低下している。中国国民が昔の痛みを我慢しているのは新しい傷を負うためではなく、友好を追求するのは戦争を恐れているためではない。いつの時代にも中国を敵とすることは、日本の国家戦略の間違った方向であることを歴史は証明している。中国の尊厳を犯して票を騙し取り、中日の友好関係をぶち壊す政党は歴史の罰を受けるに違いない。(商務部研究院 唐淳風研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月16日