【香港『南華早報』7月16日付の記事】
中国大陸部の中日問題の専門家は、「メディアはやたらと中日間で巻き起こっている紛糾を取り上げているが、北京と東京の東中国海の島嶼をめぐる新たな衝突が、全面的な外交問題に発展する可能性は小さい」と見ている。
清華大学の劉江永教授は「メディアは緊迫する情勢を誇張して報道している。中国と日本は、文化・経済において多くの共同利益を有しており、どんな事態が発生したとしても、両国は平和的に政治問題を解決する術を探るはずだ」と指摘する。
【ロシア政府機関紙『イベスチヤ』紙7月16日付の記事】
日本と中国の釣魚島をめぐる争いが近日、激化している。問題の悪化を招いたのは、日本政府が個人所有だった島を、所有者から購入し、「国有化する」と言い出したことである。
しかし、今のところ、深刻な衝突が発生することは考えにくい。なぜなら、大国間の戦争は極めて重大なことであるからだ。仮に事態が更に悪化したとしても、第三国、まずはアメリカが全力を尽くして、事態の緩和に努めるはずである。
ロシア外交部の官僚は「中日の二国間貿易の規模は巨大で、2012年上半期だけでも1383億米ドルに達している。これも両国間が大規模な衝突を避ける理由の一つである。この貿易の利益を手放して、得する人は誰一人いない」と指摘する。
日本問題の専門家であるアンドレ氏は「事態が大規模な衝突へと進展しない理由はまだある」と指摘し、「東京都が最初に島を購入する計画を持ち出したのは、日本政府や国内問題に対する不満から、国民の注意をそらせたいという目的があった。日本では今、消費税の引き上げをめぐって、大きな論争が巻き起こっており、民主党政権の内部分裂にまで発展している。また、国債の問題も解決しておらず、借金はどんどんかさみ、加えて原発事故によるエネルギー問題や東日本大震災のガレキ処理や復興支援など課題は数え切れないほど山済みである。このような状況の中で、外部の敵を持ち出して、国民の注意をそらすのは確かに一つの手ではある」との見方を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年7月17日