日本の元外務省国際情報局局長の孫崎享氏は24日、『環球時報』に対し、「中日が尖閣諸島(中国語名・釣魚島)のために戦うことを避けなければならない。これは私が最も懸念していることだ」と語った。東アジア問題を長く研究してきた孫崎享氏は先日、『朝日新聞』で「日本人にとって受け入れがたい事実だが、尖閣諸島は日本固有の領土ではない」とする文章を発表し、日本と中国、さらにはアジアで大きな注目を集めた。また、日本のネットユーザーからは非難が殺到した。
◇自衛隊を駐留させても釣魚島を守れない
環球時報 石原慎太郎氏の釣魚島購入計画をどのように考えているか。
孫崎享氏 あまりにも貧弱な発想だと思う。その理由は2つある。一つは、石原氏は尖閣諸島を手に入れるために、何らかの行動をとり続けるだろう。そうなれば、中国が外交面や軍事面においてそれなりの反応を示すことは間違いない。これに対し、石原氏が何の措置も採らないはずないが、彼は外交官でもなければ戦闘機も持っていない。このような人が尖閣諸島問題に火をつけても何の意味もない。もう一つは、争いのある地域についてどのように対処するかである。原則は双方とも緊張を高める行動をしないことだろう。ところが石原氏の行動は全く逆だ。領土争いが存在する両国にとって、争いを回避することこそが最も賢明な行動である。この2点から見て、石原氏のやり方は間違っている。
環球時報 釣魚島問題をめぐって、中日間で軍事衝突が発生する可能性はあると思うか。
孫崎享氏 あると思う。中日両国ともに争いを回避する意識がなければ、衝突は発生する。そのため、両国の指導者は、大局からすれば小さな出来事にすぎず、争いを避け、さらにそのための努力をしなければならないという一種の認識を持つ必要がある。