文=コラムニスト・陳言
東京ではしょっちゅう雨に遭う。それも北京のように少し雨宿りすればやり過ごせる雨ではなく、一日中小雨が降り続ける。これは東京都民にとって珍しいことではない。
濁った雨水に押し流されたゴミで下水口が詰まったために至る所で冠水したり、自動車が橋の下で雨水の中に沈むといった悲惨な光景は東京では基本的に見られない。もし東京でそのようなことが一度でも起きれば、行政は絶対にその再発を許さないだろう。
日本の都市浸水対策普及率はとっくに52.8%、東京では95%以上に達している。昔は大雨による床上浸水もあったが、大規模な排水網の整備後は極めて稀になった。
東京の鉄道橋の下の道路では、中国のように地面が数メートル掘り下げられていて、自動車が潜り込むように通行するということはない。これでは大雨が降ると排水に問題が生じ、橋の下に大量の水が溜まり、交通に影響が出るのは明らかだ。日本の鉄道、行政が中国のように工事費用を節約するために橋を低めに建設し、通行人や自動車には深く掘り下げた道路を通行させるということはあり得ない。こうした設計・施工方式に余りにも多くのリスクがあることは常識的に見て明らかだ。東京でもその他の日本の都市でも、降雨時に自動車が線路の下の道路で水没したという話は聞いた試しがない。そんな事が起きれば、鉄道会社がまず強く非難されるだろう。
私は数日前に日立設備エンジニアリングを取材し、中国企業向けに生産中の大型ポンプを見学した。このポンプは組み立てると三階建てのビルほどの高さがあって感嘆させられる。幸田暁工場長によると、中国の南水北調(南部の水を北部へ引く)プロジェクトに提供したポンプよりも大きいという。こんなに大きなポンプを日本で何に使うのかと質問すると、主に都市排水用なのだという。