日本経団連が開催した夕食会で、筆者は知り合いの伊藤氏に出会った。声を掛けるだけで十分だったのだが、伊藤氏は名刺を交換しようとした。伊藤氏は日本国際貿易促進協会から退職し、現在はみずほ銀行に勤務していたのだ。伊藤氏は、「第二の人生の始まりだ」と述べた。
日本において、60数歳の働き者の高齢者をよく見かける。毎朝近くの公園で、消防隊が訓練に励んでいる。隊員の多くが若者だが、訓練を指導する60歳以上のベテランの姿も少なくない。近所のスーパーの入口を守るのは、数人の60歳以上の高齢者だ。業務態度は真剣そのもので、腰を真っすぐ伸ばし、交代する際もビシッと敬礼し、まるで本物の警備員のようだ。東京のタクシー運転手の多くは定年退職後の高齢者で、運転の際にはスーツと革靴を着用する。猛暑日にはスーツを着用しないが、白シャツにネクタイを締め、まるで企業に通勤しているかのようだ。
日本の高齢者は、定年退職後も働きに出ることを好む。統計データによると、2009年の60−64歳の就業率は57%に達した。日本政府は高齢者の勤務を奨励しており、高齢者を採用した企業に対して一定の援助を行なっている。日本政府は今年新たな法案を提出し、定年を原則的に65歳まで延長することとした。