小沢一郎氏が一部の小沢派議員を率いて民主党を離党し、新党を結成したことで、もともと政局が不安定な日本は再び極度な混乱状態に陥った。
これについて、日本では「勝者のいない」政治の駆け引きだと評論された。民主党の分裂は自民・公明連立政権に政権奪回のチャンスを与えることは確かだが、それでも、有権者が抱く自民党と公明党に対するよくないイメージは改善されないためだ。
◇有権者の気を引くため、新党名を「国民の生活が第一」に
過去に自民党幹事長を務め、4度目の新党結成で日本の政局を主導し、「壊し屋」とも呼ばれる民主党最大派閥のリーダー小沢氏は、消費税増税法案の採決前から増税に反対してきた。小沢氏は、民主党は2009年に「国民の生活第一」と「4年間は消費税増しない」というマニフェストで政権をとったと見ている。そのため、野田政権が自民・公明党と結託して消費税率を引き上げるのは、有権者を裏切る行為であることは間違いない。マニフェストを守る姿勢を示すため、有権者の心をつかむのに長け、財界などから巨額資金を集めることもできる小沢氏は、思い切って新党名を「国民の生活が第一」にし、「反消費増税」と「脱原発」の旗を掲げた。小沢氏の目的は反対派の票獲得であることは明らかだが、この考えは当初から各方面から批判されてきた。
「国民の生活が第一」は感動的なスローガンで、増税反対は有権者が最も望むことだが、冷静な視点で言えば、小沢氏の民主党離党の反響は過去と比べものにならない。まず、消費税問題において、小沢氏が堅持するマニフェスト遵守という姿勢は筋の通ったものだと見られているが、批判者の次の問いに答えられないでいる。1つは、民主党は予算10兆円の財源をどこから確保するか。もう1つは、民主党が政権交代前に、政権が代われば財源を開拓する一方で支出を抑え、16兆8000億円の財源を確保できると表明したことだ。ところが、民主党が政権をとって数年がたった今、このマニフェストは実行できない約束になっている。
◇二重人格 2つの顔を持つ