民主党の分裂から釣魚島購入の茶番劇まで、日本に同時に見られる政治混乱と外交における強硬な姿勢は「右翼化」の表れだと見られている。ところが、実際に日本の政治の特徴を様々な角度から見てみると、角度によって結論は異なり、以下の3種類の分け方ができる。
1つ目は、「左派」と「右派」という区分だ。これは冷戦的ニュアンスのある分け方で、少なくとも1995年のいわゆる「保守合同」の頃に始まった。反共・保守派が合わさってできた自民党は長期にわたって日本の政権を握り、社会党や共産党などの社会主義勢力と共に日本国内に「冷戦構造」を構築した。この状態は冷戦が終わるまで続き、その後「左派」「右派」は代表的な区分ではなくなった。
2つ目は、「ハト派」と「タカ派」という区分。これは主に自民党内に存在する温和派と強硬派を指す。一般的に、ハト派は協調と協力を主張し、戦後の平和憲法を遵守する姿勢を示している。一方、タカ派は外交において強硬手段をとり、反共的で、平和憲法の改正を主張している。当然、ハト派にも麻生太郎氏のような強硬派はおり、タカ派にも中曽根康弘氏のような中日の国交正常化を支持する者はいる。
3つ目は、「海洋派」と「大陸派」という区分である。これは広範性のもので、海洋派は明治維新後の脱亜入欧思想が起源、大陸派は戦前の大東亜共栄圏構想が起源となっている。海洋派は欧米の海洋強国と同盟を結ぶことを主張し、大陸派はアジア大陸の国が団結して欧米列強の侵略を防ぐことを主張する。戦前、海洋派が主導的立場を失う一方で、大陸派はアジア諸国を侵略する軍国主義に変わった。戦後の日本の政治は海洋派が主導し、代表者には吉田茂氏やその後継者がいた。戦後の大陸派の思想は環太平洋経済連携協定(TPP)や東アジア共同体という形で復活したが、海洋派の主張ほど影響力はない。海洋派は「米国の肩を持つ」ことを主張するが、大陸派は「脱米入亜」と中日友好を主張している。
日本では現在、上述の各区分の分裂・再編の動きがあり、自民党内の田中派だった小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏は民主党内で旧社会党のメンバーと密接な関係がある。そのため、「小鳩政権」時代、日本の政治に「左化」の傾向が見られた。自民党を離党したタカ派議員は「たちあがれ日本」を結成(黒幕は石原慎太郎氏)。分裂した民主党の政策は自民党に似てきており、鳩山氏から「自民党野田派」と揶揄された。
釣魚島問題において、共産党は強硬姿勢をとっているが、左派学者の井上清氏は釣魚島は中国のものだと見ている。自民党の中のハト派が争い棚上げを主張する一方で、タカ派は現状打破を主張し、実効支配を進めている。石原氏はこの部類に属する。また、海洋派は日米同盟の枠組みのもとで釣魚島を守ることを主張しており、前原誠司氏はこの部類に属する。
日本の政治は世代交代の中で転換し、従来の冷戦構造は中米2大国家の駆け引きという新構造に取って代わられるだろう。次世代政治家が直面する問題は「左」か「右」かでも、「ハト」か「タカ」かでもなく、日本はどのように海洋国家の米国と伝統的な大陸国家の中国の間でバランスをとるか、またどのように戦略において独立するかである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月2日