東アジアに再び緊張を引き起こす日本の防衛白書

東アジアに再び緊張を引き起こす日本の防衛白書。

タグ: 日本,防衛白書

発信時間: 2012-08-02 16:08:30 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日本防衛省は7月31日、米国の4年ごとの国防評価報告書(QDR)にすぐ続いて防衛白書を発表した。中国の軍事専門家・王新俊氏は1日、東アジアに再び緊張を引き起こすことを意図したこの行動は、特に東アジアの関係国の間に重大な警戒を引き起こすはずだと指摘した。中国新聞網が伝えた。

軍事科学院国防政策研究センターの王新俊研究員は中国新聞網の取材に「今年の防衛白書はその構想と主旨において例年と大きな違いを見せている。中国の国際的イメージに泥を塗り、東アジア情勢の平和と安定をかき乱し、『中国脅威論』を再び作り上げようとする意図がありありと読み取れる」と指摘。

王氏は「東アジアの関係国の間に重大な警戒を引き起こすはずの、明らかに異なる特徴」として以下の点を挙げた。

今年の防衛白書は標的性を入念に際立たせている。例年の白書も安全保障上の脅威に言及する際に中国に言及していたが、標的性は今年ほど強くなかった。今年の白書は中国軍の正常な近代化のプロセスや軍事訓練について尾ひれをつけた分析・描写をし、無闇に非難することで、「中国脅威論」を公然と誇張し、「日本安全危機論」を作り出している。これほど標的性を備え、隣国の感じ方に全く配慮しない白書は近年、国際社会で多くはない。

今年の防衛白書の言語表現は悪意ある煽動性に満ちている。例年の防衛白書が東アジアの安定と隣国の感じ方にまだ少しは気兼ねしていたとするなら、今年は全く気兼ねがない。例えば白書は中国の軍事力の大々的な発展を非難し、中国の軍事力は透明性を欠くと妄言。「中国軍は近代化と専門化を一段と進め、より多くの責任を担うようになるとともに、党との関係も複雑化しつつある」と魂胆のある指摘もしている。

今年の防衛白書は挑戦的な趣が例年より少なからず濃厚だ。一定の意味において、今年の防衛白書は一段と中国に突きつけた挑戦状のようだ。防衛白書は中国の海軍整備を海洋拡張戦略の遂行と言いなし、係争海域での偵察・防御能力の強化を呼びかけている。野田首相と防衛相も防衛白書発表前から、隣国と係争を抱える「領土」と「権益」を守るために自衛隊を用いる可能性に触れ、一戦も辞さず、寸土も必ず争う姿勢を示した。

今年の防衛白書は日本の実力主義政策の危険性を示唆している。野田首相は今年5月、いわゆる「野田ドクトリン」を打ち出した。日米同盟および日本の経済・軍事力によって東アジア新秩序における日本のリーダーシップを確立するとの主旨だ。日本政府にとって将来の重要な使命は軍事的権力の回復なのだ。

王氏は「日本は東アジアの地域大国として、本来地域の持続的な安定と平和のためにより積極的で建設的な役割と影響力を発揮し、良好な国家イメージを築こうとすべきだ。だが日本当局は眼前の私利のみを顧みて、いわゆる『危機意識』を作り出し、地域の安定と安全の敏感な神経に触れ続け、地域の平和的発展の大局を破壊し、これを平和憲法改正の理由とし、自衛隊の『正常化』に道を開こうと企てている」と指摘した。

「今年の防衛白書を読んでみて、最近の日本の政治家による数々の危険な発言と結びつければ、東アジアの平和を愛する国々には日本の今後の発展に対して警戒を保つだけの理由がある」と王氏は指摘した。

「人民網日本語版」2012年8月2日

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