機熟す中国企業の対日進出

機熟す中国企業の対日進出。 筆者には、中国各地の駐日代表事務所に多くの友人がいます。彼らは、派遣元(省・市)の招商引資の最前線にいて、同ミッションの先兵となっていると言っても過言ではありません。彼らが口をそろえて言うのは、「かつてと違い、日本企業の誘致活動は思うようにいかない…

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発信時間: 2012-08-09 10:12:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

相変わらず「招商引資(企業誘致と資金導入)」ミッションの来日が相次いでいます。特に、中国の春節(旧正月)明けから数カ月は来日ラッシュの観があります。筆者の記憶では、こうした中国各省・市の招商引資ミッションは1990年代から本格化したように思われます。ということは、かれこれ20年の歴史をもつことになるわけです。省長や市長が団を率いての訪日もありますが、副省長や副市長の率いるミッションが多いようです。よく知られるホテル内での日本企業誘致説明会では、当該省・市の紹介が行われた後、配布されている分厚い資料をもとに誘致したい投資項目の紹介が続きます。

省・市政府が、いわば地元企業の親代わりとなって現場に乗り込み陣頭指揮を取りつつ誘致活動を展開するところは旧態依然としていますが、このところ目立つのが、いずれのミッションも日本の中小企業の誘致に熱い視線を送っているということです。日本経済の低迷で生き残りをかけて、あるいは、新たな発展の機会を求めて、海外進出を検討している中小企業が多いはず、と見込まれているわけです。日本の中小企業は、世界的に定評のある「メード・イン・ジャパン」を支えている高い技術を有しているところが多く、こうした企業の誘致に成功すれば、「メード・イン・チャイナ」の品質向上、さらには、当該省・市の経済発展、産業力強化、そして、イメージアップにもつながることになります。

ミスマッチが浮き彫りに

筆者には、中国各地の駐日代表事務所に多くの友人がいます。彼らは、派遣元(省・市)の招商引資の最前線にいて、同ミッションの先兵となっていると言っても過言ではありません。彼らが口をそろえて言うのは、「かつてと違い、日本企業の誘致活動は思うようにいかない。日本の中小企業が今日ほど海外展開に眼を向けていることはなかったはずなのに、なかなか中国に進出しようとしない」という点です。彼らの言うとおりですが、何かミスマッチがありそうに思えてなりません。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の発表によると、2011年の対中投資(実行ベース)は前年比9.7%で、10年(同17.4%)に比べ鈍化する中、日本の対中直接投資は、中国各地で伸び、全体で49.6%増と高い伸び率を示しています。国・地域別対中投資で日本が第3位に浮上し、プレゼンスが高まっていることで、各省・市が「いざ鎌倉」とばかりに、日本企業の誘致に「いざ日本」という図式を描くのもあながち的外れではないといえます。同発表は、さらに、「日本・欧米市場の先行きが不透明で円高基調の中で、中国での競争力強化と内販拡大に向け、統括会社設立や能力増強投資が、大手企業を中心に本格化している」と分析しています。つまり、新規投資はあるものの、足腰を強くするための投資が多く、中小企業の対中投資に至っては、中国側が期待するほどに目立っていないということになります。対中投資予備軍としての中小企業は増えてはいるわけですが、対中進出を暗中模索している中小企業がほとんどで、なかなか重い腰を上げようとしないというのが現実です。

対日投資説明会が効果的

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