香港特別行政区政府食物・衛生局の高永文局長は8月8日、日本の和光堂と森永乳業が製造した2種類の乳児用粉ミルクのヨード含有量が不足していることがわかったと発表した。粉ミルクの缶に表記されている推奨量に基づいて乳児に飲ませた場合、ヨード摂取量は世界保健機構(WHO)の基準の3分の1を下回り、甲状腺機能に影響を与える可能性がある。甲状腺機能に深刻な影響があれば、脳の発育に影響を及ぼす恐れがあるという。
乳児用粉ミルクのヨードとその他の栄養の含有量に対する要求は国によって異なるため、今回の発覚が乳児の健康に影響するかどうかは更に研究する必要がある。今回、乳児の安全と健康な発育を保障するため、香港政府は予防措置を講じた。食物安全センターは輸入業者に連絡し、業者は関連製品を販売停止、自主回収する姿勢を示している。
香港特別行政区政府衛生署は、家族の心配を取り除くため、母子健康病院に2種類の粉ミルクを飲用した生後1~8ヶ月の乳児を対象に10日夜から甲状腺機能の検査を実施するよう要請した。
森永「日本では問題ない」
日本の共同通信社の報道によると、香港で日本の森永乳業と和光堂の2種類の粉ミルクのヨード含有量がWHOの基準を下回り回収を求められたことについて、森永乳業は9日、「日本の基準に沿って商品を製造しており、日本では問題ない」コメントした。
和光堂の親会社であるアサヒグループホールディングスは、「基準は各国で異なる。日本では消費者庁から許可を得ているので安心して飲用できる」と示した。
森永乳業によると、日本人は海藻から大量のヨードを摂取するため、日本の基準はヨウ素の添加を認めていない。一方、中国などの内陸の国・地域では普段の食事で摂取するヨード量が比較的少ない。
森永乳業は、香港地域に粉ミルクを輸出したことはないが、今回「問題がある」とされた商品は日本製で、香港の輸入業者が日本から購入した可能性があると示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年8月10日