講演する宮本氏
日本の宮本雄二前駐中国大使は12日、「世界の潮流の中の日中関係」と題する講演を中国語で行った。宮本氏は「日中両国は世界の主要経済大国であり、一方が栄えれば双方が栄え、一方が傷つけば双方が傷つく。アジア太平洋地域だけでなく、世界全体の発展と安定に対して重要な役割を果たしている」と指摘した。
1972年に日本の田中角栄首相が周恩来総理の招待を受けて訪中。双方は共同声明を発表して中日間の不正常な状態に終止符を打ち、正式に外交関係を樹立した。これによって中日関係の「氷が割られた」。中日国交正常化40周年を記念するため、両国政府は今年を「中日国民交流友好年」と定めた。
だが今年に入り、双方間の摩擦や紛糾が日増しに顕在化し、両国の友好関係も試練にさらされている。日本のNPOと中国日報が共同実施した世論調査では、日本人に対する中国人の好感度が昨年と同水準の64.5%を維持する一方で、中国に好感を持たないとする日本人の割合は昨年の73.8%から84.3%に増加した。
これについて宮本氏は「中日両国は現在様々な困難に直面している。そうであればあるほど、中日関係の『出発点』に立ち返って問題を見なければならない。1972年に中日両国の指導者は新たな二国間関係の構築を宣言した。その出発点は、第1に『かつて両国間に発生した衝突は重大な悲哀をもたらした。このような歴史を繰り返しては断じてならない』、第2に『自国とアジア太平洋地域全体の繁栄と発展のため、両国は協力しなければならない』というものだ。まさしく戦争を経験した指導者である彼らが慎重な思考を経て、国交を回復して新たな国家間関係を樹立することを決意したのだ」と述べた。