毒ガス島と呼ばれるこの島の正式名称は、大久野島という。本州と四国の間、瀬戸内海の国立公園にあり、芭蕉の葉のように静かに大海に浮かんでいる。
島は木が生い茂って、風景も美しい。1988年に建設された大久野島毒ガス資料館は、大久野島の埠頭から約200メートルのところにあり、面積約200平方メートルの建物だ。陳列室に入ると、まず眼に飛び込んでくるのは、毒ガスを作る容器、たとえば冷却器、液体の輸送パイプ、溶解溝などだ。周りのショーウィンドーには、各種防毒ガスマスク、ゴム製作業ユニフォーム、毒ガス弾の残骸、資料と写真がある。