近ごろの日本国内の不安定な政治・経済情勢、穏やかでない周辺の環境は、長年続いている「不安障害」を重くしている。
野田政権の現状を「内政・外交ともに苦境に立っている」と表現しても言い過ぎではないだろう。低迷し続ける支持率をどのように上げるか、一連の外交における試練にどう対応するかは、野田政権を悩ます重大な課題である。野党で支持を獲得するため、「民意カード」まで切っている。「不安障害」の重症患者である日本の右翼や極端な民族主義勢力は焦りと不安を高め、日本の侵略した歴史や隣国との島の領有権争いなどの問題において無闇にあおり立てたり、状況をエスカレートさせたりしている。
日本の「不安障害」対応には2つの中国関連の問題がある。釣魚島問題と靖国神社参拝問題である。日本が近ごろ繰り返し行う挑発を受け、中国の民間の活動家は実際の行動で中国の釣魚島の主権をアピールしようとしている。日本は、中国の民間による釣魚島を守る行動に対して「強硬姿勢」をとり、釣魚島の「実効支配」を守るために海上自衛隊を派遣する構えまで見せており、争いは激しいといえる。日本政府が釣魚島購入に向けて動き出した中、右翼勢力の代表である石原慎太郎氏は、首相に島に上陸して視察するよう促した。また、一部の右翼主義者や政治家は「8月15日」という敏感な日をわざわざ選んで靖国神社を参拝すると見られ、日本の影響力のあるメディアは「中国の反対を恐れるな」などとした社説まで発表した。
日本は「不安障害」が進む中で無闇な行動に出たりするだろうか。外国との争いにおいて、冷静さと理性が最終的に日本に優位となったことがあった。一昨年の中日間の漁船衝突事件の解決がそうだった。今回も理性的なやり法はある。日本政府は保守系議員の島上陸申請を認めず、野田首相は就任時の「在任中は靖国神社を参拝しない」との考えを再表明した。日本の歴史問題や領土問題における迷い、結果を考えない軽率な行動から、中国は日本がむやみな行動に出るのではないかという疑いを消せないでいる。
中国は外交で大局を重んじており、その大局は双方の利益に合ったものである。大局を守るため、争いを適切に処理する必要があり、すぐに解決できなければ棚上げし、島の主権争いに関しては共同開発を検討してもよい。しかし、大局を守るには一方が譲るのでなく、双方が行動しなければならない。
日本が中日関係や地域協力の大局を顧みず、頑なに中国側の最低ラインに触れれば、中国側は黙っているはずがない。言葉で日本を落ち着かせることができなければ、行動でやめさせ、日本の釣魚島に対する幻想的な「実効支配」を打ち砕くしかない。
無闇な行動は日本に不利になるだけで、得より損の方が大きい。日本は焦りから無闇な行動に出るべきではない。(中国国際問題研究所 賈秀東研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月15日