8月27日、日本の松原仁国家公安委員長は、従軍慰安婦問題に関して、1993年、当時の河野洋平官房長官が「心からのおわびと反省」を表明した所謂「河野談話」について、閣僚で議論し、見解を修正すべきであるとの見方を示した。野田佳彦首相は同日、「野田内閣として『河野談話』の謝罪と反省の立場を踏襲する方針に変わりはないが、『談話』には十分な事実と証拠がない」との認識を示した。
橋下徹大阪市長と石原慎太郎東京都知事はそれぞれ、第二次世界大戦中に日本軍によって強制連行された慰安婦の存在を否定する発言をしている。その上、石原都知事の口からは「当時、慰安婦はお金を稼ぐために自ら身体を売った」などとのふざけた発言まで飛び出している。
人間としての基本的な良識すら持っていないような発言によって、被害に遭った国の人々は著しく傷つけられただけでなく、怒りと失望さえ感じている。
日本の政治家は見せかけの礼儀を振りかざして、証拠が必要であると主張している。しかし、動かぬ証拠が既に十分あるにもかかわらず、これ以上どのような証拠を必要としているのだろうか。歴史を正面から直視しないかぎり、更に多くの証拠があったところで役に立つのだろうか。朝鮮と韓国の歴史資料には、当時、朝鮮半島において日本当局が虚偽の募集や強制連行によって、慰安婦を集めたことがはっきり示されている。その中に、現在も日本で抗議活動を行っている宋神道(89)さんもいた。当時16歳の少女だった宋さんは、嘘の説明で慰安所に連行され、その後7年間に渡り日本軍の性欲を発散する道具にされていた。1990年代末から2000年代前半にかけて、日本政府に謝罪と損害賠償を求める活動を10年以上続けている。もし、「自らお金のために身体を売った」というなら、この歳になるまで、抗議活動を続け、怒りと苦しみに満ちた人生を送ることを選ぶだろうか。