中国の輸出に占める日本市場のシェアが縮小し続けている一方で、日本の中国市場に対する依存度は日増しに高まっていることを忘れてはいけない。釣魚島問題が悪化し続ければ、日本経済は更に深刻な打撃を受けると見られる。
商務部研究院対外貿易戦略研究部の張莉副主任は「釣魚島問題によるダメージは、3カ月から5カ月後には、中日貿易額に反映されるだろう」と指摘する。
また、釣魚島問題は中国人の訪日旅行にも影響を与えている。先般の情勢の影響を懸念し、10月1日からの大型連休に日本への旅行を計画していた中国人旅行者のキャンセルが相次いでおり、旅行代理店でも日本へのツアーを取り消している。9月12日、康輝国際旅行社は公式ブログにて、同日より日本へのパッケージツアーや団体ツアーなどの販売を停止することを発表した。
中国市場が海外に向けて開放されるにつれ、中国市場において、日本は今や韓国や欧米の輸出企業との熾烈な競争に直面している。このような時期に、事を荒立てれば、ライバルたちに「漁夫の利を得る」チャンスを与えることになるのは間違いない。
商務部国際貿易・経済協力研究院の趙萍研究員は「今、多くの消費者が日本のメーカー以外を選ぶ傾向にあり、日本製品の中国での売上に大きな影響を及ぼしている。自動車に関して言えば、中国自動車市場における日本のライバルはドイツであるが、一部の消費者が日系メーカーを避けているため、ドイツの自動車メーカーにとってはこの上ないチャンスとなっている」と述べた。
もちろん、経済の代償はほんの部分的な要素に過ぎない。中日両国は一衣帯水の隣国として、2000年あまりの交流の歴史があり、互いに世界に占める地位も重要で、各分野において、極めて大きな共同利益を有している。中日関係の大局が損害を受ければ、深刻な結果をもたらすことになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月14日