日本の防衛省は、中国海軍の艦艇7隻が10月4日、宮古島の北東約110キロの海域(釣魚島の東方約200キロ)を通過し、太平洋に向かって航行したと発表した。今回の編隊にはよく見られる駆逐艦、護衛艦、補給艦のほか、2隻の潜水艦救難艦も含まれており、中でも「大江型」は中国海軍で最大規模の排水量を誇り、設備が最も整った潜水艦救難艦である。潜水艦救難艦が姿を見せたことは、中国の潜水艦が第一列島線ひいては太平洋での活動を堂々と行うことを意味する。
中国人民解放軍が第一列島線を初めて堂々と突破したのは2009年3月である。北海艦隊所属のミサイル駆逐艦、巡洋艦、補給艦各1隻が山東省の青島から宮古海峡を通って西太平洋に入った。その後、東海艦隊、北海艦隊、さらに南海艦隊が何度も第一列島線を突破し太平洋に入った。日米が確認できなかった中国の潜水艦については、何度突破したかわからない。
中国海軍が第一列島線を再突破したのは、まず力を示し、米軍の空母打撃群の脅しに屈しないことを示すためである。もう一つは、日本が第一列島線に警戒網を張っても中国を阻止できないと日本にわからせるためである。中国が第一列島線を突破した後、日本は2011年から『防衛計画の大綱』で海上自衛隊の潜水艇の数を増やし、「南西諸島の防衛を強化する」方針を打ち出している。また、日本は与那国島に自衛隊を配備し、第一列島線で中国軍に対する海洋・航空防備を引き続き強化しているが、どれも無駄な行動である。
中国の第一列島線突破の常態化は、地域の軍事バランスの変化を意味する。中国は前進し、日米は後退している。釣魚島の力関係については、「日米は第一列島線の防衛を強化するために釣魚島に対する支配を強める」、「第一列島線は存在しないと認め、釣魚島に対する支配を弱める」の2つの可能性が考えられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月10日