【日経】習近平主席の講演は、中国が歴史問題で日本に妥協することのない姿勢を示した一方で、対日関係を改善したいという前向きな気持ちもうかがわれた。
【毎日】日本の一部にある「対中強硬論」に対する、歴史問題の上で妥協しない方針を強調しながらも、中日関係には改善の動きが感じられた。
【朝日】南京大虐殺に対する批判と中日両国国民の友好のふたつが取り上げられた。中国は国際社会と協力することを進めており、ファシズムとの戦争に対する勝利してからの70周年を記念した。
【読売】歴史問題の上で日本をけん制する姿勢が明確に示された。来年は「抗日戦争勝利70周年」であり、対日圧力が強まることが予想される。しかしその一方で対日関係を改善し、経済を中心とする両国間の交流と対話を推進したいという動きも感じられた。ただ今回の式典開催の狙いは、中国の歴史問題に関する主張をアピールするためである。今後同様の宣伝が繰り返されると見られる。 ――とこのようなものであった。
しかし、これらの各紙には、習近平主席の講演における重要な内容が欠落している。特に【読売】は次のふたつの発言を全く無視している。すなわち、「だれであれ南京大虐殺という事実を否定すれば、歴史はこれを許さず、30万人に上る無辜の犠牲者の魂もそれを許さず、13億人の中国国民もこれを許さず、さらに『平和を願う世界のすべての人』がこれを許さない」。「現在の中国は、国民の平和な生活を守る強い能力を備えた国家になった」という発言である。