金夢瑩さん。日本僑報社提供
日本僑報社・日中交流研究所主催の第10回「中国人の日本語作文コンクール」で見事3等賞を受賞した金夢瑩さん(浙江省嘉興市、嘉興学院)がこのほど、公益財団法人 安田奨学財団(安田隆夫理事長)の2015年度奨学生として選出された。
この制度は、同財団が学業優秀な一定の外国人留学生に対して、奨学金を給与することにより、有益な人材を育て、留学生の質の向上に寄与し、留学生の本国と日本との友好親善を図ることが目的。2005年から毎年実施されている。
金夢瑩さんは昨年の第10回日本語作文コンクールに「アニメが教えた別れ」と題した作文を応募。ペットの愛犬が事故死したことで悲嘆に暮れていた金さんが、海洋冒険ロマンを描いた日本のアニメ「ONE PIECE」(ワンピース)を見て、仲間の大切さ、悲しい別れに向き合うことの重要性を学び、「本当の勇気とは(中略)何があっても、前に向かっていく覚悟のことだ」と気づいたことを作文にまとめ、見事上位に入賞した。
3月9日、奨学生に選ばれたことについて、金さんは日本僑報社にメールで報告。
「安田奨学財団からの通知書を開いたとたん(中略)血が頭に上がってきて、酔っ払い半分の気持ちで全文を読みました。そして、やっと自分が本当に合格したことを理解して、飛び上がるほど嬉しかったです。『私は、日本に行くのだ!』という言葉が胸の中で響いて、決意が一層強くなりました」(原文ママ)
そう、喜びの言葉を述べるとともに、「(指導教官の)照屋(慶子)先生のおかげで、奨学金申請の書類を書くことも面接を受けることも思ったような堅苦しいものではないような気がしました。先生のおっしゃった通り、素直でありのままの自分を出すことが大切だったと思います」
「私はもっと日本を知りたい、もっと中国のことを知らせたい気持ちで自分の経験を語り、日本留学の意志を伝えました。このような私を認めて頂いたことは、私にとって、大きな励みになりました」などと留学への希望を語っている。
金夢瑩さんを奨学生として選出くださった安田奨学財団には、「中国人の日本語作文コンクール」の主催者として心より御礼を申し上げたい。
また金さんには、今回の日本留学を通して、一層のご活躍とご発展をお祈り申し上げたいと思う。
※金夢瑩さんの作文などを収めた、第10回日本語作文コンクール受賞作品集
『「御宅(オタク)」と呼ばれても』http://duan.jp/item/182.html