「被爆者」への差別
――原爆を体験したことで、生活にはどのような影響がありましたか。
私たち広島原爆の放射能を受けた人間は特殊な集団となり、日本で「被爆者」と呼ばれ、差別を受け、社会の隅に追いやられることになりました。「被爆者」にとっては、原爆の放射能は私たちの体や見た目、声を変えただけでなく、命をもおびやかすものとなったのです。
多くの人が原爆の汚染が伝染すると心配し、私たちから離れて行きました。私はここ数年、反戦活動に参加し続け、広島平和記念館でボランティアをしています。
――原爆の被害者として、こうしたことを体験したことのない人々に何を訴えたいですか。
こうした体験が永遠に発こらないことを願います。起こってしまえば、世界全体にとっての悪夢です。戦争が起こらないことも望みます。戦争は命を尊重しないことです。
時間が経つにつれ、うらみは問題を解決しないことに気付きました。日本の政府は間違って戦争を発動し、国民は大きな災難をこうむりました。私の考えは少しずつ変わり、平和を願い、二度と戦争がなくなることを願うようになりました。