南京利済巷慰安所旧跡陳列館が12月1日に開館式を開き、試営業を開始した。同館は侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館（南京大虐殺紀念館）の分館で、中国大陸初の「慰安婦」公認の慰安婦をテーマとした記念館だ。同館は二階建ての淡黄色の建物（計8軒）で、建築面積は3000平方メートル以上。うち6軒が陳列館、2軒が事務所。館内では1600点以上の展示品、400枚以上の展示パネル、680枚以上の写真が並べられている。また日本人の大東仁氏が集めたコンドーム「突撃一番」と性病予防薬「星秘膏」が展示された。南京利済巷慰安所旧跡は、旧国民党中将の楊普慶が1935-37年に建設した、2階建てのコンクリートと木造の混構造建築物で、「普慶新村」と呼ばれた。旧日本軍は1937年末に南京を占領後、利済巷2号を「東雲慰安所」に、18号を「故郷楼慰安所」に改築した。利済巷2号の19番目の部屋は、朝鮮人慰安婦の朴永心さんが拘束されていた場所だ。朴さんは2003年11月21日に現場を訪れ、確認を行った。利済巷は、生存中の慰安婦が公認する唯一の慰安所となった。南京市政府は2014年11月に利済巷慰安所旧跡の補修・保護・陳列の作業を開始し、2015年12月に正式に終了した。写真は陳列館の彫像の除幕式の様子。彫像は3人の慰安婦で、うち妊娠中の慰安婦が主要人物。やせ細った女性は片方の手でお腹の胎児を守り、もう片方の手を別の女性の背中に置いている。力も、助けも、希望もないことを示している。彫像全体は罪深き慰安婦制度が罪なき女性にもたらした災い、悲惨な生活を示しており、日本軍国主義の人道に対する蹂躙、女性にもたらした苦難と痛みを表現している。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2015年12月2日