北京電影学院は4月18日、「黒澤明監督を記念する中日映画フォーラム」を行い、黒澤監督が生前もっとも親しかったパートナーで旧友でもある熊田雅彦氏が出席した。熊田雅彦氏は映画『乱』のプロデューサーで、「黒澤組」の重要メンバーの1人でもある。
フォーラムは映画『靖国神社』の李纓(リー・イン)監督が進行し、謝飛(シェ・フェイ)監督がゲストで出席。謝飛監督が黒沢監督は中国映画を理解していたのか尋ねると、熊田氏は「黒澤明が初めて見た中国映画は張芸謀監督の『秋菊の物語』(原題:秋菊打官司)だと思う」と答えた。この映画は熊田氏が黒澤監督に誘われて見たもので、当時の状況について、「一分だけ見たところで、黒澤明はこの映画はどのシーンも細かく考えられていて監督は素晴らしいと言った」と話した。
この日のフォーラムでは『乱』の4Kデジタル復元版が上映され、熊田氏は黒澤監督の遺産を整理している時に『乱』の制作ノートを見つけたことを明かした。熊田氏は撮影中に黒澤監督がよくそのノートにメモするのを目にしていたが、逝去後に初めてその内容を見たという。熊田氏はこの制作ノートを出版する可能性は低いとしている。今回の訪中に当たり、熊田氏は質問にしっかりと答え「黒澤監督の初心」をできるだけ尊重するため、そのノートにじっくりと目を通し、ノートをつけた。李纓監督が「『乱』が表現したかったテーマは何か」と尋ねると、熊田氏はノートに「天の角度から見た人間が逃れることのできない悲劇」とあったと答えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月19日