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japanese.china.org.cn | 24. 06. 2016

英国のEU離脱問題、日本の計算に乱れも

タグ: EU離脱,英国

EU離脱が物議を醸すなか、英国は6月23日に国民投票を行う。これは決して冗談ではない。同じくEU加盟国で長年に渡るパートナーである仏独両国はこれまで、すべてを顧みず大幅なユーロ高を促すことで、ユーロ圏の政治関係を強化することで合意していた。

ユーロ圏ではない英国に「レッドカード」が出されるのは、これが初めてではない。仏独は婉曲的に「さようなら」と言うことで、英国が「EUが改革を拒否」を口実にし、正当なEU離脱をアピールするのを防止しようとしている。

距離が近く同じ欧州である仏独とは対照的に、日本政府はロンドンに駆けつけキャメロン首相を応援してでも、英国をEUに残留させたいほどだ。安倍晋三首相は5月上旬に訪英した際に、キャメロン首相に「冷静に、さらに冷静に」ならなければ、日本の投資に対する魅力が損なわれると忠告していた。

その後、仙台で開かれたG7財務大臣・中央銀行総裁会議において、日本が再び中心になり「英国のEU離脱は現在の最大の政治リスク」というコンセンサスを形成した。英国の去留に対する態度について、当事者である仏独と無関係に見える日本を比較すると、まさに氷と火ほどの温度差が見られる。

経済を見ると、英国は日本が欧州市場を開拓するための重要な拠点だ。英国のEU内部の立場と地位は仏独などに及ばないが、伝統ある先進国として、その経済規模は欧州全体の16%を占めている。国際通貨基金は、英国がEUを離脱すれば、欧州および世界経済・貿易に深刻な打撃を加えると警鐘を鳴らしていた。

統計データによると、英国に進出している日本企業は約1000社で、2014年末時点の対英投資総額は380億ポンドとなっている。これはまさに巨額と言える数値だ。

日本市場はこれまで英国市場に期待し、欧州市場に進出するための最大の突破口としてきた。日立グループの中西宏明会長は経営者として我慢しきれず、英フィナンシャル・タイムズに対して、「英国は日本の鉄道などのインフラ、原発などのコア技術の欧州市場進出の拠点であり、英国は世界最大の経済圏を失うべきではない」と懸念した。

英国がEUから離脱すれば、日本企業の欧州全体の戦略に大きな影響を及ぼすことになる。さらに世界のリスク回避通貨である円が急騰し、輸出が急激に悪化し、観光業が衰退するといった状況は、低迷を続ける日本経済にとって泣きっ面に蜂だ。

また日本は、中国とドイツの製造業の協力に、単独で対抗することになると懸念している。日本にとって、英国はより安定的でリスクに耐えうる産業協力パートナーになるかもしれない。ドイツの「インダストリー4.0」と「中国製造2025」がちょうど重なり、双方の製造業の協力推進が日本を刺激している。

政治面でも、英国は日本が中国に対して「欧州のカード」を切るための武器になる。日本では、EU加盟国は「親中派」が多く、米国と「特殊」な関係の英国は重要な力を持つとされている。南中国海情勢の複雑化により、日本は日米同盟に英国を抱き込み、さらに独仏に働きかけることで、共に中国をけん制しようとしている。英国がEUから離脱すれば、独仏への影響力が大幅に低下し、EUのパワーバランスを変えることになる。これにより日本の外交戦略に影響が及ぶことになる。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月24日

 

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