新津春子さんは中国の瀋陽市で生まれた。父親は第二次世界大戦の残留孤児となった日本人、母親は中国人だ。17歳の時に家族と共に日本へ移って生活を始めたが、当時は一言も日本語が分からなかった。この特殊な境遇により、中国でも日本でも常に周囲から悪口を言われ、いじめられた。日本に来たばかりで日本語が分からず人と交流できないため、春子さんは高校生の時、唯一雇ってもらった清掃の仕事を始めた。「これだけをやって21年が経つ」。