ドキュメンタリー『私と共に――70年の時を超えた感謝の旅』のオンライン公開に関する記者会見が8日、北京で開かれた。同作品は中国国際広播電台制作で、10日より央視網、新華網、人民網、国際在線、中華網などで同時に公開される。

同作品は80代の日本の高齢者が、遠路はるばる日本から中国を訪れ、恩に報いようとする話だ。主人公の丸山岩さんは中国生まれの日本人だ。抗戦勝利当初、生活に苦しんだ丸山一家は中国人から私心なき協力を受けた。11歳の丸山さんは順調に日本に帰国できた。丸山さんは70年後、中国の恩人に感謝を示すため、中国の東北三省で時と空間を跨ぐ、約1000キロに及ぶ感謝の旅を行った。

中国国際広播電台の田玉紅副台長は記者会見で、「同作品の撮影には1年以上の時間が費やされた。残酷な戦争の歴史への反省、平和な世界への考えは、丸山さんが今回の旅で感じたことであり、歴史的・現実的意義を持つ心血を注がれた作品となった。この作品により、戦争と平和、そしてヒューマニズムについて深く考えてもらい、中日関係の友好的発展に向け積極的意義のある貢献を成し遂げたい」と話した。

孫遠峰監督は式辞の中で「私たちがこの歴史を記録するのは恨みを広めるためではなく、悲劇の再発を防ぐよう警鐘を鳴らし続けるためだ。命の尊重は、人類の共通認識だ」と述べた。

丸山さんも記者会見に出席し、来賓と交流し、今回の旅における物語を共有した。「私はハルビンで生まれ、11年間暮らした。その間、多くの中国人が協力してくれた。私はもう高齢で、生きているうちにかつての恩人に報いることができなければ、死んでも死にきれない。そこで恩に報いる旅を思い立った」

同作品はまずオンライン公開され、今後さらに映画館で上映される。中国語版の他に、日本語版、英語版、韓国語版、モンゴル語版などを公開し、その他の国・地域の観衆に提供する。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2016年8月9日