中国国家京劇院代表団は3月10日から4月28日まで、日本の29都市で53回の巡回公演を行っている。中国国家京劇院代表団は12日には東京で公演し、同院副院長で国家一級役者の于魁智や同院一団団長で国家一級役者の李勝素を含む役者らが、日本の観衆に、「金銭豹」「太真外伝」「鎖麟嚢」の3作品を披露した。中国駐日大使の程永華と夫人の汪婉も、48カ国の外交使節とともに舞台を鑑賞した。
公演の終了後、于魁智と李勝素は、人民網記者の単独インタビューを受けた。
二人の芸術家は、日本の観衆はとても情熱的で、劇団と一緒に移動して何度も鑑賞に訪れる人も多いと語った。公演が終わった後も、多くの観衆が劇場の裏口で役者を出迎え、拍手を送ってくれる。さらに60人の団員一人ひとりに手作りの贈り物をプレゼントしてくれる熱心な観衆もおり、団員らはとても感動している。
代表団の公演する劇場の座席数は1700席以上で、多い時は2700席に達するが、ほとんどどこの会場も満席で、大阪での4日にわたる8回の公演には1万5000人の観衆がつめかけた。これまではなかったことだ。日本の観衆の京劇芸術に対する熱意、京劇芸術家に対する尊重は、代表団の団員一人ひとりを感動させた。日本人の文化芸術の鑑賞レベルは世界一流と言える。
二人の芸術家はさらに、感動的なエピソードを語ってくれた。ある日本人女性の夫は北京への出張で京劇を鑑賞した。帰国後、いつか一緒に京劇を見ようと妻に語っていた。しかしこの夫はその後、がんでこの世を去った。京劇代表団が来日公演をすると聞いて、妻は2枚のチケットを買い、夫の写真を隣の席に置いて、一緒に舞台を鑑賞した。そして劇団に手紙を書いた。このエピソードは劇団のすべての人の心を打った。
二人の芸術家は最後に、京劇が日本でなぜこれほど歓迎されるのかについて語った。二人によるとまず、日本民族そのものが伝統の中にあり、伝統をとても重んじることが挙げられる。日本人の観衆は伝統文化に対しては、本国のものだけでなく、外国の伝統であっても尊重する。また誇張や自賛を恐れずに言えば、京劇芸術そのもの、京劇芸術の特色、表現される内容の魅力が、観衆の感動を勝ち得たのだと言える。さらに無視できない原因としては、梅蘭芳や李少春、袁世海などの芸術の大家の影響が今にまで伝わり、日本との文化交流が絶えることなく続いてきたことが考えられる。李少春の「三岔口」や「閙天宮」の公演の映像は日本人が撮影したものだ。先輩芸術家らは、中国と日本および世界との文化交流と民間友好のため、心血を注いで大量の仕事を積み重ね、良好な土台を築いた。
中国国家京劇院代表団は今回、日本民主音楽協会の招きを受けて日本で公演した。民主音楽協会は、日本の創価学会名誉会長の池田大作氏が1963年に設立したもので、日本で最も代表的な音楽文化団体の一つだ。