中日関係、「互いに脅威にならない」は困難か

中日関係、「互いに脅威にならない」は困難か。楊潔チ国務委員と日本の谷内正太郎国家安全保障局長は、5月29日の第4回中日ハイレベル政治対話において、「互いに協力パートナーになり、互いに脅威にならない」ことで再び共通認識を形成した…

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発信時間:2017-08-10 13:28:38 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

楊潔チ国務委員と日本の谷内正太郎国家安全保障局長は、5月29日の第4回中日ハイレベル政治対話において、「互いに協力パートナーになり、互いに脅威にならない」ことで再び共通認識を形成した。しかし8月7日に起きた2つの出来事は、中日関係が「互いに協力パートナー」になることが容易であり、「互いに脅威にならない」ことが難しいことを示したようだ。

日本の河野太郎外相、米国のティラーソン国務長官、豪州のビショップ外相は7日、フィリピンの首都マニラで3カ国の外相会議を開いた。発表した共同声明の中で、名指しこそ避けたが中国の南中国海・東中国海における正当な主権維持活動を批判し、「中国の脅威」を喧伝した。

宋濤・中国共産党対外連絡部部長は同日、日本経済界の関係者と東京で、中日双方の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)枠組み内での協力展開に関する座談会を開いた。二階俊博自民党幹事長、井上義久公明党幹事長、榊原定征経団連会長、30数人の両党代表者、20数社の日本大企業取締役らが出席した。

2012年末に安倍首相が再任してから、中日経済・貿易関係は中国の人件費・地価高騰および両国の政治関係の冷え込みといったさまざまな影響を受け、長期的に低迷を続けている。しかし両国は互いに重要な経済・貿易パートナーであり、これに根本的な変化が生じていないばかりか、昨年から回復が始まっている。中国商務部のデータによると、日本の2016年の対中直接投資実行額は前年比3.1%減の31億1000万ドルとなったが、前年の25.8%という下げ幅を23ポイント弱も縮めた。中国の対日本非金融類直接投資額は、117.0%増の4兆7100億ドル。

中国が「一帯一路」イニシアチブを実施後、日本は同戦略が世界経済構造に及ぼす影響と、それに含まれる「商機」を意識し、参与を表明した。日本メディアは「これは安倍首相の中日関係改善の努力だ」と分析している。その一方で、中国の軍事現代化と海洋事業の発展は、自国の平和と発展に不可欠な国際環境を醸成するための責任であると幾度も強調しているにも関わらず、日本はこれを「脅威」として大々的に喧伝している。今月8日には2017年版の防衛白書が閣議決定された。白書は中国海軍の最近の動きを羅列し「中国側は東中国海・南中国海で独自の主張に基づき現状を変えようと試み、国際社会と地域の懸案事項になっている」とした。

日本が「中国の脅威」の喧伝に力を入れ、これを口実に軍事力を拡張しようとすることには、主に次の3つの原因がある。


(一)日本の判断によると、中国は陸海複合型国家として近年、陸権を通じ国益を守ると同時に、海と空の実力を発展させ日本を追い抜いている。中国の軍艦の更新が続き、軍事演習の頻度が増し、活動範囲が拡大を続けている。日本の釣魚島(日本名・尖閣諸島)に対する「実効支配」を脅かし、日本の航路の安全に影響を及ぼし、さらには日本のシーレーンの「脅威」を形成するというのだ。

(二)今月上旬の安倍内閣改造後、各大手メディアが実施した世論調査によると、支持率が大幅に上昇している。共同通信を例とすると、支持率は前月比8.6%上昇の44.4%となっている。しかし安倍政権による改憲に反対は53.4%で、賛成は34.5%。改憲の必要性と切実さを理解するよう国民を説得することが、安倍首相にとって「政治の宿願」である改憲を実現する上で鍵となる。「中国の脅威」の喧伝が、この宿願を遂げるための効果的な手段であることは間違いない。

(三)海洋強国の実現は、日本の国家総合戦略の主な内容だ。この戦略を実現するため、日米同盟を主軸とし、日本の勢力と国際的な影響力を世界の各主要海域まで拡大する。最終的に日本の国家安全、経済利益を確保する海洋総合安全保障体制を構築し、既存の米日主導の東アジア海洋秩序を維持する。日本はこうして、西太平洋の海上強国として再び台頭する。「中国の脅威」の喧伝は、米日同盟の強化、同戦略の実現を促す。

「互いに脅威にならない」という前提がなければ、「互いに協力パートナーになる」が確かな基礎を失うことを強調しておこう。そのため日本が本当に中日関係を改善し、一帯一路に参与しようとしているならば、隣国を敵視する戦略方針を変えなければならない。習近平国家主席が指摘した「中日友好事業は両国と両国民にとって有利であり、アジアと世界にとっても有利であることは、歴史が証明している」に心から賛同し、「互いに協力パートナーになり、互いに脅威にならない」を一体化させる必要がある。(筆者:馮瑋 復旦大学歴史学科教授)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月10日

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