この措置により党内の公平性が改善されたが、逆の効果も出ている。安倍首相の一強が弱まり、派閥政治が徐々に回復している。また内閣と党内ではすでに3人が、「ポスト安倍時代」の雌雄を決すると公然と宣言している。安倍首相はこれによりレームダック化していないが、すでに一つの流れが生じている。少なくとも自民党レベルでは、「ポスト安倍」の影が生まれている。
例えば岸田文雄前外相は安倍首相が睨みをきかせる内閣から離れ、党執行部の「政調会長」に就任した。これは安倍首相が暗に認める後継者の一人であることを認めたに等しい。
さらに安倍首相は、支持率アップのために女性閣僚を起用しているのではないことを証明したいが、多くの女性有権者の機嫌を損ねることもできないため、大胆にも手強い政敵(前回の総裁選の競争相手)である野田聖子氏を入閣させた。しかし野田氏は入閣直後、来年の首相の座を争う戦いに加わると宣言した。これは安倍首相が自ら招いた結果だ。
さらには自民党内の「ハト派」が再集結し、「造反派」が早々と決起し、小池新党の地方から中央を包囲する戦略が拡大するといった、より深刻な勢力再建の後遺症がある。党執行部と内閣の政策争い、安倍氏の首相兼総裁という地位が来年の総裁選まで維持できない、安倍首相の改憲の大計が死産に終わるという3つの結果が予想できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年8月11日