英軍事情報誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』(電子版)は、中国が近日中に次世代潜水艦発射大陸間弾道ミサイル「JL-3」の試験を行うと伝えた。これは中国の戦略核兵器攻撃能力が、新たな段階に上がることを意味する。JL-3の射程距離は1万1000キロに達すると見られ、中国の近海で発射すれば太平洋を跨ぎ北米を攻撃できる。米ナショナル・インタレスト誌(電子版)は中国の核抑止力の発展を受け、日系軍事専門家のカイル・ミゾカミ氏の記事を掲載した。日本の核保有の将来性について検討し、日本には核兵器を「作るつもりはない」が、「開発能力」を持つことは間違いないと判断した。
技術的に見ると、日本にとって陸上発射ミサイルが最も容易だ。日本には世界一流の宇宙技術があり、ミサイルサイロから発射する弾道ミサイルを研究開発できる。日本には長距離の大陸間弾道ミサイルの必要がなく、中国とロシアを射程距離に収めるだけでよいので、100発前後の中距離弾道ミサイルを保有できる。ミサイルにそれぞれ3発・10万トンの核弾頭を搭載し、北海道のミサイルサイロに配備するか、道路の車両に配備できる。しかし陸上発射ミサイルには重大な欠陥もある。日本は陸地面積が狭く、人口密度が高いため、配備先が攻撃を受けやすい。
日本が新型戦略爆撃機を開発したらどうなるだろうか。米国の専門家は、日本はステルス爆撃機を開発し、核巡航ミサイルや核爆弾を搭載することが可能だと指摘した。これは非常にフレキシブルな核攻撃方法で、核攻撃ばかりか通常の精密攻撃も可能だ。日本の航空自衛隊は72機規模の爆撃機編隊を維持できる。1機に4発の近距離ミサイルを搭載でき、それぞれ10万トン級の核弾頭を1発搭載できる。これにより日本は一度に288発の核弾頭を投射する能力を手にする。ところが日本の空からの核抑止能力を制約する問題は、やはり領土にある。日本の爆撃機は敵国の急襲を受けやすく、空港で破壊される可能性が高い。さらに新型防空ミサイルの発展により、爆撃機の生存能力が大きく低下する。