「臍帯血事件」で生じた訪日医療ツーリズムのリスク 中国人をモルモット扱い

「臍帯血事件」で生じた訪日医療ツーリズムのリスク 中国人をモルモット扱い。

タグ:日本,美容,中国,安全性

発信時間:2017-09-01 10:54:47 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 

 訪日医療ツアーをする中国人が近年増えている。日本メディアは最近、「日本の多くの医療機関が暴利をむさぼり、臍帯血(さいたいけつ)を違法に医療や美容に使用している。その“モルモット”として中国人が選ばれることも少なくない」と報じている。この事件は中国人に対し、「訪日医療ツーリズム」のリスクを警告するものである。日本の医療を妄信することのない、正しい選択眼が求められる。

 日本の警察は27日、再生医療安全性確保法違反の疑いで6名の医師と医療機関責任者を逮捕した。無申請で他人の臍帯血を大腸がんの治療や美容の目的で投与していた疑い。法律では、医療過程で他人の臍帯血を投与する場合は、リスクが高いことから、あらかじめ厚生労働省に治療申請をし、厳格な審査を受けることになっている。

 警察によると、2015年以降、約100人が未申請のまま臍帯血治療を受けたが、その3割が外国人で、大部分が中国人だったという。治療費用は非常に高く、1回の治療に300万~400万円かかる。

 茨城県にある民間臍帯血バンクでは1000人分の臍帯血が保存されていた。2009年に同機関破たん後、臍帯血は他の臍帯血販売企業へ流入し、同企業は1人分あたり約3万円で日本の病院に販売していた。これら病院では、「臍帯血にはがん治療やアンチエイジングの効果がある」と宣伝しつつ、未申請で患者に臍帯血を投与していた。

 厚生労働省は、造血幹細胞が含まれる臍帯血は白血病などの治療に使われるが、大腸がんや美容に関する安全性や有効性の根拠はないと指摘している。日本再生医療学会は今年3月、「臍帯血を再生医療に使用する際の安全性と有効性を慎重に研究すべきだ」との声明を発表した。さらに同学会は今年7月1日、「再生医療安全性確保法」の規定に基づかない違法医療行為は「効果がないばかりか、不必要なリスクにさらされる可能性がある」との緊急声明を発表している。

 今回の「臍帯血事件」において、一部の中国人が不幸にも“モルモット”にされた。近年、多くの中国人が高い費用を出して訪日し、いわゆる「臍帯血美容・アンチエイジング治療」を受けてきた。臍帯血の機能に対する理解の欠如、あるいは日本の医療レベルに対する妄信が、一部の医療仲介組織や日本の悪徳医師のカモにさせていたのだ。

 

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