海外の高速鉄道建設、中日は協力できるか

海外の高速鉄道建設、中日は協力できるか。

タグ:高速鉄道 タイ 東部経済 

発信時間:2018-09-22 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 報道によると、タイのアーコム運輸大臣はこのほど「中国と日本の協力に期待する、これはタイにとって良いことだ」と表明した。これは中日がタイという第三国で協力を展開することが、議事日程に上がったことを意味する。それではタイはなぜこのタイミングで、中日の協力を提案したのだろうか。その成功は、中日が東南アジア高速鉄道プロジェクトをめぐり、互恵協力の新モデルを模索することを促すのだろうか。


 タイは「ほほ笑みの国」と呼ばれ、大国関係の処理に長けている。武器調達、投資導入などの面で、タイは終始巧みなバランスを維持する外交の手腕を見せている。


 今回のタイの提案は、まずバランスを取るためだ。中日の今回のタイにおける協力は、主にドンムアン国際空港、スワンナプーム国際空港、ウタパオ国際空港を結ぶ高速鉄道プロジェクトだ。中日は近年高速鉄道をめぐり、タイで激しい競争を展開している。日本が建設するバンコク〜チェンマイ高速鉄道、中国が建設するバンコク〜ナコーンラーチャシーマー高速鉄道は紆余曲折を経た。タイが中日協力という新プランを打ち出したのは、中日のタイにおける新たな利益バランスを整え、タイのより切実な利益を模索するためだ。


 次に、タイはリスク分散を考えている。タイは現在「タイ4.0」戦略を実施しており、東部経済回廊がその旗艦プロジェクトとなっている。3大空港を結ぶ高速鉄道プロジェクトは、タイの東部経済回廊の重点プロジェクトだ。その投資総額は5兆円以上を見込んでおり、契約期間は50年。間違いなくビッグプロジェクトだ。しかしビッグプロジェクトには各種リスクがある。タイは中日企業の相互補完により、同プロジェクトのリスクを解消しようとしている。

 


 それから、中日はタイとの経済・貿易協力でそれぞれ強みを持つが、いずれもタイの友好協力先だ。海外の対タイ投資に占める日本の割合は約7割で、自動車製造、電器・電子、サービス業などの分野が含まれる。中国のタイへの投資はまだ少ないが、成長率が高く、製造、金融、農業、紡績業、鉱業などの分野が含まれる。中国は今やタイにとって最大の貿易相手国だ。中日がタイという第三国市場の開拓を選択したのは、両国のタイとの関係の特殊性によるものだ。


 今年は中日平和友好条約締結40周年でもあり、両国関係が回復の流れを示している。李克強総理が5月に訪日し、日本側と「中日の第三国市場協力に関する覚書」に署名し、両国の第三国市場における協力を強化することで合意した。これは中日両国のタイにおける高速鉄道プロジェクトで協力するため、良好な雰囲気と政治的基礎をもたらした。両国首脳は、中日経済ハイレベル対話枠組み内で、部門を跨ぐ「中日第三国市場協力作業推進メカニズム」を構築し、関連協力フォーラムを開催することで、共通認識を実行に移すことを確認した。


 国家発展改革委員会のけん引を受け、タイ東部経済回廊弁公室、在タイ中国大使館、在タイ日本大使館が共催する「タイ東部経済回廊中国・日本第三国市場協力国際シンポジウム」が5月31日、バンコクで開催された。中国、タイ、日本の政府・企業代表者が協力の可能性の模索を開始した。


 高速鉄道の建設について、中日両国は資金、技術、人材、プロジェクト管理、施工材料などの面でそれぞれ強みを持つ。いかに協力の中で相互補完、効率的な連携を実現するかをめぐり、3カ国の企業は協力の模索に着手し始めている。


 この協力は企業を中心とし、市場に導かれ、協力・ウィンウィンを実現する原則を守るべきだ。この協力は「産業+技術+資本+市場」という新しい協力モデルを見いだし、かつ東南アジアやアフリカなどに広げる可能性がある。(筆者・許利平 中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院研究員)


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年9月22日

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